保健医療学部 はり灸・スポーツトレーナー学科女性アスレティックトレーナーの活動

2016年06月24日


はり灸・スポーツトレーナー学科 山口由美子

 先日横浜で開催されました第89回日本整形外科学会学術集会に招待頂き、「女子サッカーにおけるアスレティックトレーナー(以下、AT)の活動」というテーマで、日本各地から集まった整形外科医の前で講演させていただきました。非常に新しいスタイルのシンポジウムで、フロアの参加者もスマホを片手にいくつかの質問に答えて参加していくものでした。
 はじめに私は、サッカー日本代表チームのAT活動について紹介しました。活動の中では、特に女性だから男性だからと言って性差で仕事の内容が変わるかと言えばそんなことはありません。唯一女性であることにメリットを感じるとすれば、試合前後の選手が更衣をする際にもロッカールーム内で活動できることです。限られた時間の中で効率よく仕事をするためには、この瞬間女性であるメリットは大きいと思います。
 日本の女性ATの現状をみると、日本体育協会公認AT数では男性79.0%(2087名)に対して女性21.0%(555名)です。ロンドンオリンピックでは男子の競技者よりも女子が20名も多く出場していますが、AT帯同数をみてみると男性20名に対して女子は本部ATを含めてもたった5名です。  このように、チームに帯同するATの仕事は何か理由があって女性が少ないのかもしれません。女性は妊娠・出産・育児など長期でスポーツ現場を離れなければいけない時期があります。また1週間以上の遠征・大会に帯同すること、国内リーグでもアウェー戦では2試合に1回は宿泊を伴い家を空けることになります。
 今回のスマホ参加型セッションでは、講演に参加した整形外科医に対して座長から質問がなされました。「男性整形外科医に聞きます。自分の職場や活動するスポーツ現場で女性ATは必要ですか?」。私が予想していたよりもはるかに多い「絶対必要」という回答がありました。私たち女性が思っている以上に、男性にとっては女性ATの需要があるのかもしれません。
 今回皆さんの前で話した私が考える課題は、①ATを女性が将来的な希望を抱け、安心して選択できる職業にすることです。そのためには結婚・出産・子育てしながら生涯関わり続けられる女性ATのモデルケースを作ることが重要になります。そして②女性AT希望者を資格取得に導き、絶対数を増やすことです。現行で活動している女性ATがその認知度を上げ、教育機関等ではスポーツ現場で求められる優秀なATを育て輩出することが求められます。そして最後に、③一度活動から離れた女性ATがスポーツ現場に復帰できる環境づくりをすることが重要になってきます。
 女性ATの活躍の場が広げられるよう私も微力ながらこのような活動しています。

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