保健医療学部 はり灸・スポーツトレーナー学科「はり(鍼)」や「きゅう(灸)」って何に効くの?

2017年01月06日


はり灸・スポーツトレーナー学科  山﨑 寿也

 「はり(鍼)」や「きゅう(灸)」って何に効くの?と聞かれることが良くあります。
 みなさんは、身体の調子が悪いと病院へ行くか薬局に薬を買いに行くと思います。
 病院(いわゆる西洋医学)では、診察等により「疾患(病名:○○病など)」が診断され、薬が処方されます。
一方、鍼灸(東洋医学)では、問診(患者さんに身体の状態を聞く)等により、症状を確認して証(治療方針)を決め鍼や灸をします。つまり、疾患に対応して治療する訳ではありません。
 最近、EBMという言葉がよく使われます。EBMとは、Evidence-Based-Medicine(根拠に基づく医療)という意味です。医療には、Evidence(根拠)が必要です。ただし、このEBMは、西洋医学を基本に考えられているので、症状ではなく疾患に対しての効果で考えられています。つまり、鍼灸の効果も疾患への効果に当てはめて考えざるを得ないのです。
 WHO(World Health Organization:世界保健機構)は、2002年に発表した「Acupuncture:review and analysis of reports on controlled clinical trials」の中で、「鍼治療できる疾患および障害」という項目を設けています。疾患および障害を1~4のカテゴリーに分け、
1.検証により、効果的だと証明されたもの(28疾患)
2.効果が示されたが、さらなる検証が必要なもの(63疾患)
3.試す価値のあるもの(9疾患)
4.今後試されるかもしれないもの(7疾患)
と分類しています。カテゴリー1は、Evidence(根拠)があるものということです。
 28疾患とは、具体的には①放射線療法・化学療法での副作用、②アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、③胆石仙痛、④うつ病、⑤赤痢(急性細菌性)、⑥月経困難症(原発性)、⑦上腹部痛・心窩部痛、⑧顔面痛(顎関節症含む)、⑨頭痛、⑩高血圧(本態性)、⑪低血圧(原発〔性〕)、⑫分娩(陣痛)誘発、⑬膝痛、⑭白血球減少症、⑮腰痛、⑯胎児位置異常(偏位)、⑰悪阻(つわり)、⑱悪心・吐気・嘔吐、⑲頚部痛、⑳歯科痛、?肩関節周囲炎(五十肩)、?術後痛、?腎仙痛、?関節リウマチ(慢性)、?坐骨神経痛、?捻挫、?脳卒中および?テニス肘です。
 こんな疾患を鍼灸で?と思われる人も多いと思います。
 「効果がある=完治する」という意味ではありませんが、症状を緩和することができるということです。鍼灸治療の可能性はまだまだ広がっています。
 興味がある人は是非、はり灸・スポーツトレーナー学科まで。

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