保健医療学部 はり灸・スポーツトレーナー学科女性と鍼灸

2018年12月14日

はり灸・スポーツトレーナー学科 山口由美子 

 皆さん、こんにちは。最近はオープンキャンパスの参加者や入学生に女性が増えています。鍼灸師の仕事は、「力が要るんじゃないか?」とか「女性でもやっていけるのだろうか?」という質問を高校生や保護者の方から受けるときもあります。一方、女性ならではの繊細さが必要なとき、女性目線で捉えることが患者さんの安心につながるときも多々あります。以前に女性アスレティックレーナーのニーズについて話をしましたが、今回は女性だからわかってあげられる「女性と鍼灸」について話をしたいと思います。

 女性のライフサイクルの中には妊娠、出産、育児を経験する方がおられます。その一つである妊娠について鍼灸師として何ができるのか?

 妊娠から出産までの過程で、妊婦の身体は妊娠子宮や胎児と共に変化をしていきます。皆さんは、妊婦が経験するマイナートラブルがあることを知っていますか?つわりや足のむくみは有名ですが、便秘が妊娠初期から後期まで妊婦を悩ますことが多くあります。医学的には、プロゲステロンというホルモンの影響により腸管運動機能が低下することが原因で起こります。さらに大きくなる妊娠子宮によって腸管が圧迫され、胃腸の内容物の通過時間も延長するため起こりやすくなるのです。こういった妊娠中の便秘に対して、鍼治療が便秘はもとより残便感やお腹のハリ感を改善したという報告があります。

 東洋医学では妊娠中の便秘について、主に「熱秘」、「気秘」、「虚秘」、「冷秘」の4つに分けられます。東洋医学的診察で確認する舌や脈も各々のタイプ別に特徴を示すので、上記のタイプに分け、それに合わせた経穴(いわゆるツボ)を選んで鍼灸を施すわけです。

 実は妊娠中は使える医薬品はほんの少しで、妊婦として胎児に負担となるものは出来るだけ避けたいとの理由で鍼灸の門をたたく方がおられます。男性鍼灸師、女性鍼灸師のどちらも施術は可能ですが、精神的に不安になりやすい妊娠期に身体のことを委ねやすいのは同性かもしれません。妊娠を経験した鍼灸師もいるでしょう。デリケートな話を異性に話しにくい女性もいらっしゃいます。私たちの目指す鍼灸は肩こり、腰痛など運動器疾患だけでなく、このような妊娠期に力を発揮し女性をサポートすることが可能となります。女性として不利なことばかりを考えずに、女性だからこそ強みにできることに目を向けて鍼灸師を目指してみませんか?写真は胎児の脚のエコーです。

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