教員ブログ保健医療学部 はり灸・スポーツトレーナー学科

はり師・きゅう師、スポーツトレーナーを目指す諸君へ

2017年04月21日


はり灸・スポーツトレーナー学科長 若山育郎

 みなさん、こんにちは。今回は、はり灸・スポーツトレーナー学科のカリキュラム方針について少し説明したいと思います。

 本学科は、その名前のとおり、はり師・きゅう師とスポーツトレーナーの知識・技術、それぞれの資格の取得を目指すための学科です。本学のカリキュラムは、うまく選択すればその両方に挑戦できるように組んでいます。ただし、その道はそれほど簡単なものではありません。自分が将来どうなりたいか、どういう場で活躍したいか、自分の将来像をしっかりと見据えて頑張らないと達成できません。志(こころざし)をもって入学してくれることを希望します。

 さて、本学科のカリキュラムでは、学生全員がはり師・きゅう師国家試験の受験資格を取って卒業します。つまり将来はり師・きゅう師として身を立てたいと志している学生はもちろんのこと、スポーツの現場で働きたいと考えている学生もはり師・きゅう師の国家試験を受験します。これが基本で、そのために必要で十分な教育をおこなっています。

 本学では日本体育協会公認のアスレティックトレーナー(AT)の受験資格を得るための実習を含むカリキュラムを整えています。ですが、トレーナー活動はATの資格がなくとも実践できます。はり師・きゅう師の資格があればできるのです。はり師・きゅう師は、一般の患者を対象にして、はりときゅうを使い、治療することができる資格ですので、トレーナー活動には非常に有用です。本学で学んだスポーツトレーナーの知識・技術とはり師・きゅう師の資格で立派にスポーツトレーナーとして活動することができます。その上で、さらにスポーツトレーナーを極めたいとの志をもつ学生にはATの受験を勧めます。

以上が、本学科の方針です。まずは、はり師・きゅう師の勉強を行い、上のステップとしてAT資格を目指すという教育を実践しています。

写真は、スポーツ現場ではり治療を行うイメージです。

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学科の選び方

2017年03月17日


はり灸・スポーツトレーナー学科  近藤 哲哉

 漠然と医療系を目指してオープンキャンパスに来てくれた高校生が「学科や職業の違いがよく分からず、どの学科を志望したらいいか分からない」と悩んでいるという話をよく聞きます。適性には大きく分けて、[1]何に興味があるか、[2]心理傾向、[3]能力の3つの観点があります。このうち[2]の中には、黙従反応や協調性などが含まれています。これらが高いかどうかを簡単に判断するテストもあるのですが、皆さんがしていた部活やバイトの内容でも知ることができます。
 集団の和を乱さないように、決まったことを行う部活の典型として、グリーやブラスバンドがあります。スポーツでは、バレーボールやサッカーなどが集団スポーツであり、勝った喜びや負けた悔しさを皆と共有できる利点があります。一方、元女子プロテニス選手の沢松奈生子さんは、車椅子の世界大会で何度も優勝した上地結衣選手との対談の中で「集団スポーツは、自分がいくら努力しても仲間のせいで負けることがあるのが嫌なので、一人でプレーできるテニスを選んだ」と語っていて、上地選手と意気投合していました。これは自己責任ということでもあります。
 医療系の職種の中でもっとも個人プレーの色彩が強いのははり師・きゅう師と柔道整復師だと思います。逆に看護師は複数の看護師が時間帯に応じて代わる代わる一人の患者に対応したり、医師、薬剤師、検査技師などあらゆる職種の人と打ち合わせをしたりするので、典型的なチーム医療の場で働くことになります。そのために、看護に苦労した患者が、自分が非番でいない時間帯に退院するかもしれません。理学療法士も医師と連携するチーム医療ですが、一人の患者をずっと同じ理学療法士が担当することが多いので、どちらの要素もあります。
 他には、初対面の人間関係が得意な人と、初めは人見知りしても段々親しくなると調子が良くなってくる人に分かれます。前者は飲食店やコンビニでの接客のバイトが楽しかったはずです。そのような人は、次々に新しい患者に応対する臨床検査技師や看護師が向いています。ただし、検査技師の中には患者に接しない職場もあり、看護師でも慢性疾患の病棟勤務では後者になります。後者の人には、数年、数十年も同じ患者と付き合うことになるはり師・きゅう師、理学療法士が向いています。今まで、色々な人と付き合ってきたか、一人の人と長く付き合ってきたかといったことも判断材料になるかもしれません。
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表1.心理傾向による学科の選び方




関西医療大学は伝統医療文化の宝庫!

2017年02月10日


はり灸・スポーツトレーナー学科  王 財源

 関西医療大学はり灸・スポーツトレーナー学科は中国の伝統医療文化を継承し、古代中国哲学の生命観を基本とした、国民への鍼灸治療の普及を出発点とし、人間中心の医学に基づく、哲学観をもった人材の育成に全力を注いでいます。本学には、他学にはない伝統医学に関する豊富な資料が所蔵されています(写真1)。本学科では伝統医療文化の思想、哲学を中心とした、伝統医学教育のカリキュラムが充実しています。
 ここで鍼灸学の歴史の一端をお話ししましょう。鍼灸という刺激を与える治療法は、最古のものだと思われているようですが、実は「気」という古代中国哲学の宇宙観から出発したものです。つまり、人間は宇宙や自然界との共生により、生命を維持しているという考えです。したがって、自然環境との共生を保つことができなくなると、身体に不調が起こり、病を引き起こします。このような生活環境のなかで先人は、病を引き起こした身体に対して、「気」を用いた治療や、「気」による養生法を実践していったのです。その中でも、『黄帝内経』という医学書には、「気」を基礎とした生理学や病理学を始め、治療方法に至るまで詳細に記されています(写真2)。
 次に鍼灸治療で用いる鍼とはどのようなものでしょうか。人類の医療が進歩する過程で、先人らは身体に流れる過剰な「気」を抜いたり、不足した「気」を補ったり、滞った「気」の巡りを改善するための道具として様々な種類の鍼を生み出しました。それらが「九鍼」です。「九鍼」とは鑱鍼(ざんしん)、員鍼(えんしん)、鍉鍼(ていしん)、鋒鍼(ほうしん)、鈹鍼(ひしん)、員利鍼(えんりしん)、毫鍼(ごうしん)、長鍼(ちょうしん)、大鍼(だいしん)の九種類の鍼のことです。そしてこの「九鍼」のなかで、現在の私たちが最もよく使っているのが「毫鍼」と呼ばれている鍼です。後世では、これら九種類の鍼はさらに改良が加えられ、使い易く治療効果のある鍼として生み出されて臨床現場で使われています。
 わたしたちの関西医療大学は、人類がもつエンパワーメントを引き出すことができる鍼灸師の育成を目的に、知識と経験を皆さんに伝えることのできる大学です。是非本学で学びませんか。

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「はり(鍼)」や「きゅう(灸)」って何に効くの?

2017年01月06日


はり灸・スポーツトレーナー学科  山﨑 寿也

 「はり(鍼)」や「きゅう(灸)」って何に効くの?と聞かれることが良くあります。
 みなさんは、身体の調子が悪いと病院へ行くか薬局に薬を買いに行くと思います。
 病院(いわゆる西洋医学)では、診察等により「疾患(病名:○○病など)」が診断され、薬が処方されます。
一方、鍼灸(東洋医学)では、問診(患者さんに身体の状態を聞く)等により、症状を確認して証(治療方針)を決め鍼や灸をします。つまり、疾患に対応して治療する訳ではありません。
 最近、EBMという言葉がよく使われます。EBMとは、Evidence-Based-Medicine(根拠に基づく医療)という意味です。医療には、Evidence(根拠)が必要です。ただし、このEBMは、西洋医学を基本に考えられているので、症状ではなく疾患に対しての効果で考えられています。つまり、鍼灸の効果も疾患への効果に当てはめて考えざるを得ないのです。
 WHO(World Health Organization:世界保健機構)は、2002年に発表した「Acupuncture:review and analysis of reports on controlled clinical trials」の中で、「鍼治療できる疾患および障害」という項目を設けています。疾患および障害を1~4のカテゴリーに分け、
1.検証により、効果的だと証明されたもの(28疾患)
2.効果が示されたが、さらなる検証が必要なもの(63疾患)
3.試す価値のあるもの(9疾患)
4.今後試されるかもしれないもの(7疾患)
と分類しています。カテゴリー1は、Evidence(根拠)があるものということです。
 28疾患とは、具体的には①放射線療法・化学療法での副作用、②アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、③胆石仙痛、④うつ病、⑤赤痢(急性細菌性)、⑥月経困難症(原発性)、⑦上腹部痛・心窩部痛、⑧顔面痛(顎関節症含む)、⑨頭痛、⑩高血圧(本態性)、⑪低血圧(原発〔性〕)、⑫分娩(陣痛)誘発、⑬膝痛、⑭白血球減少症、⑮腰痛、⑯胎児位置異常(偏位)、⑰悪阻(つわり)、⑱悪心・吐気・嘔吐、⑲頚部痛、⑳歯科痛、?肩関節周囲炎(五十肩)、?術後痛、?腎仙痛、?関節リウマチ(慢性)、?坐骨神経痛、?捻挫、?脳卒中および?テニス肘です。
 こんな疾患を鍼灸で?と思われる人も多いと思います。
 「効果がある=完治する」という意味ではありませんが、症状を緩和することができるということです。鍼灸治療の可能性はまだまだ広がっています。
 興味がある人は是非、はり灸・スポーツトレーナー学科まで。

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想いはひとつ!

2016年11月18日


はり灸・スポーツトレーナー学科  谷 万喜子

 札幌に行ってきました。楽しかったー!・・・と言っても、遊びに行ったのではありませんよ。全日本鍼灸学会北海道支部の講習会に講師としてお招きいただいたためです。広い北海道からたくさんの鍼灸師の先生方が集まって、熱心に私の話に耳を傾けてくださいました。その日は、これまで続けてきた臨床研究に基づいて、筋緊張異常に対する鍼治療のアプローチについてお話しました。そして、それに関連した実技も見ていただきました。実技でご紹介したのは、集毛鍼という鍼を使って皮膚や筋肉をストレッチするという方法です。集毛鍼は、皮膚表面に刺激ができる鍼で、子供から大人まであらゆる年代の人に使うことができます。私たちの研究グループでは、皮膚や筋肉のストレッチにこの鍼を使うことを提唱しています。でも、ストレッチに集毛鍼を使う手法は私たちが始めたものなので、学会での発表や文章を見ただけでは、なかなか実際の治療の様子をイメージしにくいようです。今回は、お二人の先生にモデルをしていただき、実際の治療場面を見ていただくことができましたので、とても嬉しかったです。参加してくださった先生方にも、新鮮だったのではないかと思います。様々な質問をいただき、熱心にモデル患者さんの状態を触っていただいて、「患者さんのために、この方法を吸収するぞ!」という想いがひしひしと伝わってきました。
 今年は、京都でも研究成果をお話する機会があったのですが、この時もたくさんの鍼灸師の先生方に聴いていただくことができました。治療に向けて、具体的な質問がたくさんありました。そして、多くの卒業生が聴きに来てくれました。卒業後、開業や鍼灸院勤務と色々な形態で患者さんのお役に立っている人たちですが、さらに熱心にスキルアップしていこうとする姿は、すばらしいですね。卒業生のみんなが頼もしくなっていることに、大きな喜びを感じました。
 どこにいても、どんなスタイルで仕事をしていても、どこの養成校を卒業しても、鍼灸師として患者さんに良くなっていただきたいという想いはひとつだと、改めて感じることができました。やっぱり鍼灸っていいですね。私もまだまだ頑張ります!

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講習会での集毛鍼の実技です



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