教員ブログ保健医療学部 はり灸・スポーツトレーナー学科

日本伝統医学へのいざない

2018年05月18日

はり灸・スポーツトレーナー学科長 若山育郎

みなさん、こんにちは。今回は、日本の伝統医学について少し解説をします。

皆さんは、はりきゅうや漢方は中国の医学だと思っていませんか?確かにはりきゅうと漢方は中国から日本にもたらされたものです。しかし、それは1500年近く前のことで、それ以降は中国に教えを請いながらも、私たちの先祖の医学者は日本独自の医学を開発し、それが今日まで受け継がれています。皆さんが入学後に習うのはそのような日本伝統医学なのです。漢方も「漢」すなわち中国の、「方」すなわち医術というのがもともとの語源なので、中国の医学と誤解されやすいのですが、れっきとした日本伝統医学なのです。

中国は昔から王朝が交代するとそれ以前の王朝の文化や知識はすべて捨て去り、場合によっては自分たちが都合の良いように歴史を書き換えることで、新しい王朝の権威を保つということを歴代おこなってきた国です。したがって、古代中国の医学に関する書物や知識もむしろ日本に残っているのです。また、現在中国で行われている伝統医学は近代中国において作られたもので、古代中国の医学はむしろ日本で発展していると言っても良いくらいです。ただし、日本人は古代中国医学をそのまま受け継いでいるわけではなく、日本特有の気候や日本人の体質にうまく合うように様々な工夫をして日本流の伝統医学を発展させてきました。

 その一例がはりです。皆さんが本学に入学するとはりきゅうの実習があり、お互いにはりを刺して練習します。ところが、はりの太さは日本と中国ではかなり違うのです。中国では太いはりを使います。日本では髪の毛ほどの細いはりを使います。もともと日本にはりが入って来たときは中国式のはりだったのですが、それを私たちの先祖の医学者が日本人の身体に合うように、身体にやさしい痛くないはりを開発したのです。太いはりを筋肉などにズブッと入れるよりも、細いはりを浅く優しく刺して治療するほうが日本人の身体には合っているし効果も高いことがわかってきたからです。

 はり灸・スポーツトレーナー学科では、この日本の伝統医学であるはりきゅう(写真)を基礎として、その上の資格としてアスレティックトレーナーや健康運動実践指導者などの資格をとることができるカリキュラムを用意しています。
日本の伝統医学を継承する治療家になってみませんか。

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多くのことを学び、資格を活かすために

2018年03月30日

はり灸・スポーツトレーナー学科 北川洋志

「腰が痛い」と訴える人が、あなたの目の前にいます。あなたがその人を支える立場にあったならば、どのような対応を取りますか?今は具体的な対応方法が思いつかなかったとしても、目の前の人で痛みを訴える人をどのような状態にしてあげたいですか?
訴えられた腰の痛みを治療し、腰の痛みで二度と悩まなくなれば間違いなく喜んでもらえるでしょう。しかし、繰り返し腰が痛くなってきてしまう場合もあります。その場合、そのたびに治療が必要になってきます。もしかすると体の使い方に癖があり、その癖が腰に負担をかけていたとすれば、体の癖が治るようにコンディショニング(調整)ができれば腰の痛みは繰り返さなくなるかもしれません。しかし、体に染みついた癖が治るのには時間がかかります。その間に痛みが悪化してくる場合もあります。痛みを抱えたまま身体の癖が治るまでトレーニング(運動)を行うのも辛いものです。では治療で腰痛を治しながら、コンディショニングで体の癖を治していけるとなればどうでしょうか。
もちろん体の使い方の癖だけに原因があるのではなく、体が硬いことや逆に軟らかすぎること、筋力が低下していることが原因のこともあります。痛みのせいで変な癖が出ていることもあります。目の前の人を支えていくためには、その人の状態を評価し、適切な方法を判断して、対応していく必要があります。そのような対応ができるようになるまでには、絶え間ない努力が必要となってきます。
はり灸・スポーツトレーナー学科では、治療やコンディショニングに必要な技術だけではなく、基礎医学(解剖・生理・病理)、西洋医学、東洋医学などたくさんの知識を学びます。それらの学びは、将来、あなたが対面していく患者さんや選手へ向けられます。治療して痛みを取る、繰り返し痛まないように予防する、生活の質の向上や競技力アップのためにトレーニングを指導する。そのすべてが直接的に「人のため」になる仕事です。そのための努力を惜しまない人にこそ、未来が拓けると信じています。あなたはこれから様々なことを学び、経験していくことで悩み、考え方も変化していくかもしれません。その時に支えてくれるのはあなたの持っている「初心」です。「初心」を絶対に忘れず、進むべき道を自ら切り開いていってもらいたいと思います。

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見方によって東洋医学も大進化!

2018年02月23日


はり灸・スポーツトレーナー学科  黒岩共一

 YouTubeに有名な「バスケットコートのゴリラ」という頁がある。のぞいて見ると、「白チームのパスを数えなさい」との表示が先ず出る。画面が切り変わり白(シャツ)チームと黒チーム、それぞれ数名が入り乱れてバスケットボールのパスをし合う場面が30秒程続く。そしてパスは何回でしたか、と訊いてくる。ハイ正解は*回です。これで終わりと思いきや、実はこれからが本番である。「ところでゴリラを見てません?」との表示が出て、ゴリラ(着ぐるみ)はここで登場していましたと登場場面がリプレイされる。「エーッ、そうなの!」と驚く人が約半分いる。半分も気づいて無い人がいる方が驚きだ。視野追跡装置を装着させて同じ実験をすると、ゴリラに気づかなかった人もチャンとゴリラは見ていたことが判っている。気づいた人、気づかなかった人の性格分析では、極論すると気づかなかった人は真面目(優等生?)、気づいた人はアバウト、いい加減人間らしい。
 それにしても想像力をかき立ててくれる話しだよね。「眼では見ていても心では見てない」、「何を見るかは心が決める」。
 実はこの「同じ光景・場面を見ても、人により(心に)見えるものは別々」は、マジシャンに限らず世界の様々のシーンで広く利用されている。大学・研究の場でも利用価値は高い。それは...
 科学を推し進めるのは「課題に真剣に取り組む」人ばかりではない。たまたま目にとまったことに興味が湧いてしまい、本来の課題を忘れて内職を始めるタイプが時として「アッと驚く」成果をあげる。よく進んだ科学では、既に多くの「正解」が見つかっているので「真剣に課題に取り組む」タイプが優位に立つ。でも未開の科学で見つけられた正解が少ない、あるいは正解と思われているけど実は間違っている「正解」が幾つもある科学の場合ではどうだろう。課題に「真剣に取り組めない」タイプの方が真剣人には見えないことを見つけだすチャンスが訪れそうだよね。何せ東洋医学は宗教や伝説と科学のごった煮状態だから、ゴリラの群れが群雄割拠!チャンスゴロゴロの科学なんだから。 この未開状態の東洋医学の発展にはアバウトな君の脇見が役立つかも知れない。いや是非とも役立てて欲しい。勿論まじめ君にも未来を用意できる大学でもある。受験だけでもどう。

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努力の... 

2018年01月19日


はり灸・スポーツトレーナー学科  百合邦子

  みなさんこんにちは。本年もよろしくお願いします。
 冬期休暇中はどのように過ごされていました?年度の切り替え時期は何かとゴタゴタしますよね。また、イベントがたくさんある時期なのでついつい遊んでしまうなど誘惑が多く、気づいたら何日も過ぎていた、という状態に陥りやすいうえに、厳しい寒さで体調を崩しやすい時期でもあります。まさに日頃の自己規律の精神・身体鍛錬が試される時節です。
 さて、今私のお財布には"努力の石"(写真)という平らで小さな石が入っています。これは長年愛用している、我が家の学習机を掃除していたら出てきたものです。高校生の頃に当時の教員から貰ったものです。私の通っていた高校では長期休暇中に勉強合宿があり、その時参加していた学生に配布されました。この石をみると、目標に向かって頑張っていた自分を思い出します。
 この前、大学に卒業生が久しぶりにたずねて来ました。彼は卒業後、働きながらトレーナーの資格を取得し、現在その資格を活かして働いているとのことでした。ところでみなさん、社会人になり、働きながら資格を取得することは本当に大変です。フルタイムで働いていれば、当然、勉強時間の確保が難しいので、睡眠時間をけずり、遊びの誘惑にも耐え、勉強をしなければなりません。1回の受験で合格しなければ再度受験しないといけません。そのモチベーションを保ち続けるのはなかなかできることではありません。話を聞いているうちに、彼の努力の軌跡に、とても感銘を受けました。自分の目標に向かって努力をするのは本当に素晴らしいことだと思います。
 彼に比べて、自分はどれだけ頑張れているのだろうか、まだまだ余力はある。気持ちが挫けそうになると、彼の話と努力の石をみて、自分の気持ちを奮い立たせています。
 努力のすべてが報われるのかどうかは分かりませんが、努力に工夫を重ね、前に進むことで何らかの道は開けてくると思います。一緒に頑張りましょう!
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大学生になると、結局どうなるの?

2017年12月01日


はり灸・スポーツトレーナー学科  伊藤俊治

 大学入試が始まる季節ですね。高三なら推薦やAOでどこかの大学に入学を決めた人も、部活を引退して本格的に入試勉強している人もいるでしょう。まだ進学か就職かで迷ったり、進学先を決めかねたりしている人もいるかも知れません。
 ところで「大学生になる。そして大学を卒業する」というのはどういうことなのか、考えたことはありますか。私なんかは大学に入ってもしばらくは、気にしたこともありませんでした。大学生になるって、小学校の次に中学校に通う、中学生の後に高校生になる、その次、としか考えていませんでした。でも高校までと大学の間には実は大きなギャップがあるのです。
 大学を卒業した人には「学士」という称号というか資格が与えられます。「学士」・・・何か、いかめしい響きの言葉ですね。学士とは、どんな人の事でしょうか。イメージで言うと「学士」はこんな感じです。

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 一言でいうと「学士」とは「学問を修めた人」の事です。大学で学ぶ事を「学問」といいますが、高校までの勉強は「学習」です。同じ事のようですが少し違います。一番の違いは、「学習」には正解がありますが、「学問」には正解が無い事です。高校までの勉強は、教師や文科省の決めた正解を当てるクイズみたいなものです。一方、学問には「正解」がありません。どうすればこの患者を救えるのか。ロボットが走る最適の方法は。人はなぜ癌になるのか。正解はまだありません。大学を卒業するということは、正解の判らないこういう「問い」に答える方法を身につけた人になる事なんです、本当は。世の中には、そうじゃない「大卒」もいっぱいいますけどね。
 世の中に出ると、いろんなところで私たちを惑わそうとするモノが待ち構えています。それは詐欺商法だったり、疑似科学だったり、インチキ宗教だったり、流行のオルタナ・ファクトだったりします。どれも「正解」や「真実」がよく判らない事に付け込んで、私たちから何かをむしり取ろうとするモノです。これから大学生になる人は正しく「学問」を修めて、何が「正解」なのか見極められる人になって欲しいと大学の先生たちは思っています。
 ただ私自身も、今夜自分が何を食べたらいいかすら中々決められません。ヘルシー路線でダイエットする? でもお腹が空いているしストレスあるしガッツリいく? ああ、これでも「学士」なのに、「正解」はどっちにあるのか全然判らない・・・。



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