教員ブログ保健医療学部 はり灸・スポーツトレーナー学科

50名の新入生を迎えました!

2019年05月10日

はり灸・スポーツトレーナー学科 坂口俊二

44日(木)、春の陽射しを一杯に受け、関西医療大学2学部6学科1大学院研究科371名の新入生、そのうち、はり灸・スポーツトレーナー学科には50名の仲間を迎えました。5(金)・6(土)のオリエンテーション、ガイダンスを経て、8日(月)から授業が開始され、新入生は夢への第一歩をスタートさせました。本学は、地元でも隠れた桜の名所で、新入生を歓迎するかのように満開を迎え、私は研究室からその桜の変化を楽しみに観ています。例年、新年度がスタートする頃には散り始めているのですが、今年は寒の戻りなどもあり、長く楽しめています(写真)。  

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この時期、いつも思い出すことがあります。それは、桜染めについてです。桜の花びらを集めて煮詰めても決して染まらず、樹皮を煮詰めると桜色になるのだと・・。改めてこの原典を探してみました。私自身は小学校時代の国語の教科書という記憶だったのですが、実は中学校の教科書に載っていた大岡信さんの作品「言葉の力」に含まれている内容であることを知りました。今から30数年前のことですが、私の記憶に深く刻まれています。外に向けた華やかさの根元はその木(樹皮)にある。こんな人間になりたいという思いがずっとあったのだと思います。

ガイダンスで新入生の約80%が、はり師きゅう師の国家資格を活かす付帯資格として、本学科に置かれている日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーを目指したいと手を挙げてくれました。その思いが本学での学びを通してより膨らみ、モチベーションとなり4年間の充実した学生生活につながればと期待しています。そこには不断の努力と勉強、実習を通して自分という木をしっかり育むことが大切であることは言うまでもありません。そして、その栄養(知識や技術、人間性)を美しい花(=夢の実現)に注いでほしいと強く思いました。

本学科に興味を示してくれた皆さん、本学科は2018年度から新たなカリキュラムをスタートさせました。それをサポートする教員もしっかり配しました。スポーツ現場、鍼灸臨床現場を重視した教育を実践していきます。多くの卒業生が鍼灸の業団やスポーツ現場で活躍しています。その実態も報告します。是非、オープンキャンパスに足を運んで下さい。私達の目指すのは、チーム医療の一翼を担うことよりも、はり師・きゅう師にスポーツ・運動分野の付帯資格を備えた医療専門職としてのidentity(独自性)を高めることです。


中国伝統医学に隠された謎を解く関西医療大学

2019年03月15日

はり灸・スポーツトレーナー学科 王 財源

鍼灸は2000年前の古代中国に発祥しました。その当時は現在のような細い鍼は存在せず、どちらかと言えば太い鍼でした。このことから、当時、安全性を考えて体の奥深い場所にまで鍼を刺さなかったようです。

鍼を深く刺入するようになったのは、鉄の加工技術が発展してからのことです。当然、鍼を細くする技術は、武器の製造技術の水準が高くなり始めた、春秋戦国時代に飛躍的な発見を遂げました。では、それ以前の刺さない鍼の時代に、どのように鍼が扱われていたのかという疑問が残ります。そこで古代中国の歴史をさかのぼってみましょう。

来、東洋医学的思想を背景に作られた、伝統医療の特徴は、筋肉に鍼を入れないで、皮膚のみを刺激する方法が基本であったということです。何よりも、そこには人体で生理的な活動を助ける「気」という物質がありました。日常の私たちの生活に「気」の存在は欠かすことできないぐらい溶け込んでいます。

例えば「やる気」「本気」「気分」「気位が高い」など、「気」の実体はみえなくても、知らない間に「気」の存在を認め合っているのです。人体の「気」は身体を構成するためのエネルギーの源であり、「気」を失うとさまざまな病気が起こります。この「気」を補うことで、元気な肉体を作り上げ、病気になりにくい体質にします。おそらく「気」の養生法の誕生により、ツボや鍼・灸の技術がさらに発展したようです。現在のように鍼を肉体に刺すような物理刺激ではなかったのです。

このことからも、鍼が病気の治療に優しい医療だったのでしょう。今、使っている鍼は、漢代に生まれた9種類の金属製の鍼が改良されて誕生しました。これが古代九鍼と呼ばれているものです。古代九鍼のなかでも、毫鍼と呼ばれている鍼が、現在の私たちが鍼治療に使用している鍼です(写真、上から7番目の鍼が祖型)。鍼治療が始まった頃には、皮膚を切って治していました。私たちの祖先は、肌を切ることで病気を治す仕組みを発見し、その一つに「気」の流れを改善することで、運動器疾患や内臓の病気を取り除けるということを体験しました。そして体の表面にある特定な場所の肌を擦る、切ることで、病気が治ることを発見し、それを活字文化に託して現代の私たちに残してくれたのです。

実は中国医学の誕生が、流れる「気」を鍼でコントロールすることにあったのです。それが現在の鍼治療のルーツなのです。

関西医療大学には多くの古代中国の資料が所蔵していますので、伝統医学の隠された真実を、本学で解き明かしてみては如何でしょうか。

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写真 古代九鍼のレプリカ(関西医療大学所蔵)撮影:王


まもなく「集大成」

2019年02月01日

このコラムがアップされる2月は、医療系国家資格を目指す学生にとって「国家試験」の時期です。多くの医療系国家資格試験が毎週末に実施される、受験生にとっては正に集大成の時ですね。国家試験に合格しないと思い描いていた仕事ができないわけですから、プレッシャーがかかります。はり師・きゅう師(両資格を取得して鍼灸師といいます)の国家資格は2月最終週日曜日に実施されますので、今年は2月24日です。本学は4年制ですので、4年生は朝から晩まで受験勉強...我々教員も国家試験の補講に勤しむ毎日です。

さて、はり灸・スポーツトレーナー学科にはもう一つ試験が待ち構えています。(公財)日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)実技試験です。これは昨年末11月に理論試験というマークシート試験をクリアした人が受験できる、いわゆるJSPO-ATの最終試験です。アスレティックトレーナーの試験内容は医療系知識・技術を多く含んでいるので、医療系の学校に進学した学生には非常に有利です。実技試験では、理論試験でクリアした知識を実践できるのか、ということが問われる内容です。とはいえ、現場での応用を評価されるのでは無く、あくまでもJSPO-ATとしてエントリーレベルにあるかどうか、を判定されます。

実技試験の内容は、
①スポーツ現場における救急処置(8分間)
②アスレティックリハビリテーション(12分間)
③テーピング(8分間)
の3項目です。設定された状況を括弧内の時間で実施・指導する、シミュレーション試験となっています。

①と②ではスポーツ傷害や現在の状態が設定されており、受験生は問診や視診、触診、スペシャルテストでその状態を探り、適切な処置やトレーニングを処方していきます。テーピングは指定された部位と巻き方を実施します。私も受験しましたが、トータル時間30分間(私の当時は4項目40分間でしたが)、緊張しっぱなしで喉がカラカラになったことを強烈に覚えています(笑)。

国家試験、JSPO-ATのダブル受験をクリアする学生は非常に少ないのが現状です。しかしながら、本学に進学してきた目標を達成した学生は非常に素晴らしい顔をしています。「皆ができることでないからこそ価値がある」、のは社会でもスポーツでも同じことと思います。資格を得ることは、自分自身の仕事に普遍的な価値を付与する意味もあるのではないでしょうか。そして、価値を追求する姿勢はきっと卒業というスタートラインを何歩も前進させてくれます。試験が終われば1週間後に卒業式が待っています。学生が、この2月をバネに大いに羽ばたくことを期待して止みません。

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写真は野球選手への指導場面です。実践あるのみ!


女性と鍼灸

2018年12月14日

はり灸・スポーツトレーナー学科 山口由美子 

 皆さん、こんにちは。最近はオープンキャンパスの参加者や入学生に女性が増えています。鍼灸師の仕事は、「力が要るんじゃないか?」とか「女性でもやっていけるのだろうか?」という質問を高校生や保護者の方から受けるときもあります。一方、女性ならではの繊細さが必要なとき、女性目線で捉えることが患者さんの安心につながるときも多々あります。以前に女性アスレティックレーナーのニーズについて話をしましたが、今回は女性だからわかってあげられる「女性と鍼灸」について話をしたいと思います。

 女性のライフサイクルの中には妊娠、出産、育児を経験する方がおられます。その一つである妊娠について鍼灸師として何ができるのか?

 妊娠から出産までの過程で、妊婦の身体は妊娠子宮や胎児と共に変化をしていきます。皆さんは、妊婦が経験するマイナートラブルがあることを知っていますか?つわりや足のむくみは有名ですが、便秘が妊娠初期から後期まで妊婦を悩ますことが多くあります。医学的には、プロゲステロンというホルモンの影響により腸管運動機能が低下することが原因で起こります。さらに大きくなる妊娠子宮によって腸管が圧迫され、胃腸の内容物の通過時間も延長するため起こりやすくなるのです。こういった妊娠中の便秘に対して、鍼治療が便秘はもとより残便感やお腹のハリ感を改善したという報告があります。

 東洋医学では妊娠中の便秘について、主に「熱秘」、「気秘」、「虚秘」、「冷秘」の4つに分けられます。東洋医学的診察で確認する舌や脈も各々のタイプ別に特徴を示すので、上記のタイプに分け、それに合わせた経穴(いわゆるツボ)を選んで鍼灸を施すわけです。

 実は妊娠中は使える医薬品はほんの少しで、妊婦として胎児に負担となるものは出来るだけ避けたいとの理由で鍼灸の門をたたく方がおられます。男性鍼灸師、女性鍼灸師のどちらも施術は可能ですが、精神的に不安になりやすい妊娠期に身体のことを委ねやすいのは同性かもしれません。妊娠を経験した鍼灸師もいるでしょう。デリケートな話を異性に話しにくい女性もいらっしゃいます。私たちの目指す鍼灸は肩こり、腰痛など運動器疾患だけでなく、このような妊娠期に力を発揮し女性をサポートすることが可能となります。女性として不利なことばかりを考えずに、女性だからこそ強みにできることに目を向けて鍼灸師を目指してみませんか?写真は胎児の脚のエコーです。

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「仕事」と「資格」について

2018年11月02日

はり灸・スポーツトレーナー学科 寺岡祐助

「将来の夢」という作文を小学生の時に書いた覚えがあります。皆さんも経験されたことでしょう。今、同じテーマで作文を書こうとすると、少し恥ずかしい感じがしますよね。ある程度現実が見えてきた中で将来を考えるのは、勇気がいることです。よく夢を持つことが大切だと言われます。私も同感です。良い作文が出来上がるかどうかが重要なのではなく、自分の将来を考える過程で人は成長すると考えるからです。
そんな将来を考えるにあたり、多くの人が仕事や資格について調べるかと思います。私が関わる医療やスポーツといった業界でも多くの「資格」が存在します。直接手を施して治療することが出来る資格、運動を指導出来る資格等さまざまです。それぞれの領域をしっかり学修した証とも言えるでしょう。それらの資格に共通するものがあります。それは人を健康に導くということです。私はこれを「仕事」と捉えています。○○という資格を持っていたら有利だとか、△△を持っていると給料が良い等も考えるでしょう。それも大切なことです。しかし、そもそも人を健康に導くという仕事を本気で考えているか?自分自身に問いただしてみて下さい。厳しい言い方ですが、その「仕事」の気持ちが無いまま「資格」を求めるとなかなか身が入りません。
私達は人に影響を与える職業です。自分が人から必要とされて満足することを最終地点にしてはいけません。
人を健康に導く「仕事」であると自分が納得し、どのような方法で人に影響を与えるかという「資格」を考えて将来を描いてもらいたいと思います。人を健康に導く思いがあり、鍼灸師やスポーツトレーナーを目指すと決めた方。是非共に勉強しましょう!
私の仕事は多くの人を健康に導くことです。そのために鍼灸師、アスレティックトレーナーといった資格を活用しています。

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※写真は私が鍼を使って「仕事」をする瞬間です。


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