具体的な教育方法

1 理学療法学科学習システムについて

理学療法士が理学療法を患者様におこなう場合は、理学療法評価をおこない、その結果に基づいた理学療法を実施します。要するに、適切な理学療法をおこなう場合には適切な理学療法評価が重要となります。
そこで本学は、第一に理学療法評価が正しくできる能力を身につけることに重点をおいています。

 理学療法評価には、トップダウン過程の評価とボトムアップ過程の評価があります。トップダウン過程の評価は、まず患者様への問診から問題と考える動作をあげて、その動作を観察・分析することで、動作を困難にしている原因を仮設します。次に、その仮設した原因が正しいか否かを検査測定により検査し、検査結果から明らかになった問題点に対して理学療法をおこなう方法です。この評価方法は、適切な理学療法評価を短時間で行えるというメリットもありますが、問診や動作観察・分析が適切でなければ正しい問題点を導きだせないというデメリットもあります。反対にボトムアップ過程の評価は疾患から考えられる問題点を全て検査し、検査結果から得られた全ての問題点に対して理学療法を実施する方法である。この方法は、必ず問題点が把握できるメリットはありますが、あらゆる検査をおこないますので評価に時間がかかるというデメリットもあります。

 本学は、トップダウン過程の評価を正しくできることを目標にしております。動作観察・分析から問題点を仮説することは大変難しいために、教育では学生に習得させることが難しいとされていますが、本学はあえてこの評価過程を正しく習得させることを特徴にしています。このトップダウン過程の評価をきちんと習得することで、短時間で適切な理学療法評価ができ、「治せるセラピスト」になれると考えています。  

 本学では下図にありますように、1年生では、情報収集・問診から動作観察・分析をおこない問題点を仮設するまでの過程を学習します。2年生では、仮設した問題点が正しいか否かを検証する検査測定をおこないます。また、動作観察・分析から問題点抽出までの過程を学習します。3年生では、理学療法評価の流れを再度学習したのちに理学療法技術を習得します。そして、3年生後期から4年生の前期まで本学で学習した内容を外部の臨床実習施設で実際に患者様に実施します。臨床実習に関しては、「臨床実習」を参照ください。

2 留年生0、臨床実習・国家試験全員合格のシステムについて

理学療法教育は大変困難であるため、一般的には授業についていけずに退学、留年することがあります。本学は、治せる理学療法士になりたいと思って入学した本学学生を出来るだけ最短(4年間)で理学療法士の免許を獲得させることを目標にしています。そのため、本学の学生は、常に勉強しなければならない環境を用意しております。

下図は、本学科の様々な教育について横軸を参加者数、縦軸を獲得するレベルで示しています。
まず、特徴的であるのは、1 寺子屋、2 記述テスト、3 国家試験模擬試験、4 OSCE、5 附属診療所見学実習であります。

1 寺子屋とは、授業についていけない学生や、授業中に質問できなかった学生が放課後に教員に質問できる勉強会です。基本的には週2〜3日、試験前後では毎日開催しています。


2 大学の試験は1年間で前期、後期の2回実施します。記述試験とは、各期の中間で理学療法専門科目を対象に記述試験をおこないます。記述試験は、学生の能力を適切に把握できると考えており、試験結果によって補講を実施し、再試験をおこなう場合があります。また、個人的に面談をおこない勉強法へのアドバイスをおこないます。

3 国家試験模擬試験を1年生よりおこないます。授業で学習した範囲の国家試験を参考に教員が作成し、模擬試験としておこないます。国家試験の合格は60%以上ですので、各科目60%以上に満たない場合には、解説集を作成することを課題にしています。

4 理学療法士になるためには、様々な実技ができないといけません。1年生では問診、動作観察・分析の実技、2年生では検査測定の実技です。これらの実技の知識を客観的臨床能力試験(OSCE: Objective Structured Clinical Examination)で把握します。
OSCEでは、教員や他学年の学生が患者役になり、実際の患者様を想定して実技の試験をおこないます。1,2年生は年4回程度のOSCEをおこなっており、成績が合格点である70%に満たない場合は、合格点に到達するまで補講、再試験をおこないます。

5 関西医療大学附属診療所は大学に併設しております。その利点を大いに利用して、正規の実習時間でなくても附属診療所のリハビリテーション科に見学実習を行うことができます。授業で学習したことを実際の臨床場面で1年生より体験できるわけです。これは本学教員が授業以外の時間で附属診療所において理学療法士として勤務している利点であります。

このページのトップへ