関西医療大学

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2022年03月11日

令和3年度 卒業式式辞

卒業生の皆さん、この度のご卒業、誠におめでとうございます。
また、これまで卒業生の皆さんを支えてこられた保護者の方々にも深く御礼申し上げます。

さて、これから皆さんが巣立っていかれる現在の社会は、非常に厳しい状況にあります。この2年以上に亘る長い間、皆さんはコロナ禍の中で過ごされ、大学における勉学や学園生活にも大きな支障があったと思います。対面授業、実習ならびにクラブ活動などにおいて、大切な人と人の触れあいや交流に大きな影響がありました。
しかし、皆さんの一致した協力により、医療大学として適切な感染対策ができ、また、コロナワクチンの職域接種を教職員や家族を含めて全学的に行うことができました。大きなクラスターの発生もなく、本日を無事迎えることができました。これまで、私ども教職員にも至らぬことが多々あったとは存じますが、改めて、卒業生、保護者の皆様には、深く御礼申し上げます。

今なお、コロナウィルスによるパンデミックは日本においても続いております。感染力や病原性の更に強いと言われるスティルス型コロナウィルスBA.2も徐々に広がりつつあり、予断を許さない状況が続きます。4月1日までには、74パーセントがBA.2に置き換わると言われ、感染の再なる拡大が危惧されています。
また一方では、国際的にもロシアのウクライナ侵攻により、世界情勢は大きく揺れております。パンデミックによる人類の危機的状況にあって、このようなことがあっていいのかという思いで一杯です。何を基準に私たちは生きればいいのでしょうか。

私が尊敬する偉人の一人、マハトマ・ガンジー氏は、人間にとっての『根源的価値とは、真実と非暴力、そして奉仕』であると、語っています。それは、一連のひとつの行動基準であり、真実、非暴力ならびに奉仕の精神が統一されたひとつのものでなければならない、とガンジーは述べています。
私たちは、普段の行動において、「公」と「私」を混同したり、その両面の顔をうまく使い分けようとします。しかし、ガンジーは、それはご都合主義の二重基準、ダブル・スタンダードだと糾弾しています。「表の顔」で正義を唱えながら、「裏の顔」では「どんな犠牲を払ってもいい」、「結果さえよければよい」という、他人を手段として犠牲にする考え方は間違いです。リーダーがそのように振る舞うと、そのダブル・スタンダードは組織全体に感染拡大し、組織内の分裂と腐敗を招きます。疑心暗鬼の蔓延する組織になってしまいます。公的生活でも私的生活でも、ただ一つの基準に従って真摯に行動すること、このシングル・スタンダード、「真実、非暴力そして奉仕」が、唯一の行動基準であり、私たちがめざす指針とすべきです。

最近のコロナ禍が長引く中では、社会の絆が断たれ、不安な日々が続いています。公共の中での私たち自身の行動が、その感染防止にも、大学生活にも大きくかかわってきました。そのことは、皆さんも強く感じてこられたのではないでしょうか。公共哲学者山脇直司東大名誉教授は、「活私開公」という言葉を推奨されています。これは、山脇氏の韓国の友人 金泰昌(キムテイチャン)氏の言葉です。これまでの高度成長社会では、猛烈社員と言われるように「滅私奉公」という自己を犠牲にして公(=会社)に尽くすという考えがありました。「活私開公」は、それとはまったく逆に、「自己を活性化して、主体的に公共に貢献すること、それと同時に自己を開花、成長させる」という意味が含まれています。これは、まさにガンジーの言うシングル・スタンダードとも一致します。

これから、社会へと旅立たれる皆さんは、医療社会の中で、一段高い単一の基準「活私開公」を持ったリーダーとして活躍して頂きたいと思います。
これは、本学の建学の精神、すなわち、「社会に役立つ道に生きぬく奉仕の精神」とも相通ずる言葉です。
私たちが、真実、非暴力そして奉仕というシングル・スタンダードを厳守することで、これからの社会の新たな道を切り開いて欲しいと願っています。

改めて、この度のご卒業おめでとうございます。

令和4年3月11日
関西医療大学学長 吉田宗平

関西医療大学 学長
吉田 宗平(よしだ そうへい)
  • 担当科目(学部)
    生命倫理
  • 大学院担当科目
    神経内科学概論、内科・神経内科学特論講義・演習
  • 学位
    医学博士
  • 取得資格
    認定内科医、日本神経学会専門医・指導医、東洋医学会専門医、NPO日本ハーブ振興会Profeesional Adviser of Herb (PHA)資格
  • 大学院(研究指導内容)
    鍼灸への神経学的アプローチとその治効機序の科学的解明、脈診の科学化とノジェらによる耳介療法の治療・診断システムの構築、ハーブ・アロマテラピーの研究