博士後期課程 久納健太さんの論文が英文誌Annals of Rehabilitation Medicineに掲載されました
博士後期課程 久納健太さんの論文が英文誌Annals of Rehabilitation Medicineに掲載されました。
久納健太さんは、本学の博士後期課程2年生で、鈴木俊明教授の指導のもと振動刺激が刺激側と対側の脊髄運動神経機能の興奮性へ与える影響について研究しています。
従来の研究では、痙縮の軽減に寄与する刺激として、標的筋に対応する対側同名筋を振動刺激する方法の有効性を検討してきました。しかしながら、この刺激の最適な刺激時間については明らかにされていませんでした。そこで本研究では、健常成人を対象に、一側の振動刺激が対側同名筋の筋緊張に及ぼす影響について、F波の経時的変化を用いて最適な刺激時間を検討しました。
本研究では右短母指外転筋に周波数80 Hz、振幅0.4 mm、荷重量400 gの振動刺激を加え、左短母指外転筋からF波を刺激前、刺激中の7時点,刺激直後に測定しました。その結果、刺激開始直後から60-75秒まで振幅F/M比は低下しました。これにより、一側の振動刺激は対側同名筋の脊髄前角細胞の興奮性を最長75秒間抑制することが明らかになりました。
これまでの研究では、振動刺激時間を15秒間とした際の効果しか確認できておらず、臨床への応用が困難でありました。しかし、本研究成果により、振動刺激を与えてから75秒程度までは筋緊張抑制効果を与える可能性があることを示しており、振動刺激と運動療法を同時に併用してリハビリテーション介入を施すための一助となることが期待されます。
是非、ご一読ください。
Unilateral Vibratory Stimulation Inhibits Contralateral Spinal Anterior Horn Cells in Homonymous Muscles for the First 75 Seconds.
Kena Kunoh, Takahiro Takenaka, Daisuke Kimura, Toshiaki Suzuki