ACUPUNCTURE-MOXIBUSTION AND TRAINER SCIENCE
学部・大学院 | 保健医療学部

はり灸・スポーツトレーナー学科

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現代医学の進歩と
社会の変化に対応できる
ハイレベルな鍼灸師を育てる

学科の特色

Feature

本学では、総合教育科目で幅広い教養と医療人としての倫理観を、専門教育科目で東西両医学をバランスよく習得するとともに、鍼灸学の基礎から臨床技術までを網羅的に学びます。さらに、難関とされる日本スポーツ協会公認のアスレティックトレーナー取得に向けた完全サポートを実現。また、健康運動実践指導者をはじめ、将来の就職・開業を見据えた美容、スポーツなどの専門性の高い鍼灸科目をカリキュラムに導入し、あなたの「なりたい自分」の実現をめざします。

個々の適正に応じたやりがいのある就職を支援

学生個々の「なりたい自分」を支援するため、キャリア支援課が中心となって1年次からの段階的なプログラムを作成。関西圏の鍼灸系4大学が共催で、約80施設を迎えて合同就職説明会を実施。さらに、学内での合同就職説明会では、実際に求人依頼がある本学OBの治療院を中心に院長や人事担当者から、直接情報を得ることが可能。その他にも、「インターンシップ実習」の履修で、学外の鍼灸治療院などで就業体験をすることもできます。

本学の教員はチームドクターやトレーナーとして大活躍!

本学の教員は、学内だけでなく、サッカーやフットサルなどの日本代表チームが海外遠征をする際や国内外で行われるキャンプに同行する機会もあり、日本チームの活躍に貢献しています。 このように教員が現場を経験することで、最新のトレンドを取り入れた生きた授業を行うことができます。

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学びのポイント

  • Point1

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    現代医療のなかで伝統医療の鍼灸を位置付ける

    約2000年もの間、鍼灸は病める人をみつづけ、その情報を経験として蓄積してきました。一方、1990年代から鍼灸のグローバル化が加速し、鍼灸の用語や技術、安全性、有効性を現代医療の土台で示すことが必要となってきました。鍼灸治療を受ける患者さんのほとんどが、何らかの病気を持ち、薬を中心とする現代医療を受けて治療を受けています。これからの鍼灸師は、患者さんの現代医療における情報もしっかり理解し、特に医師と相談・連携しながら、薬を用いない鍼灸治療の特長を活かさなければなりません。本学では、患者さんを現代医療に伝統医療を含めた総合的な情報で客観的に判断し、適切に治療ができる、そんな「適否の鑑別ができる鍼灸師」の育成を目指したカリキュラムを配置しています。

  • Point2

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    技術修得のステップを踏んで鍼灸の臨床力を磨く

    鍼灸は、現代医療のように内科、整形外科、皮膚科、婦人科など、診療科目を掲げて治療を行いません。それは、ほとんどの鍼灸師が、患者さんの身体がだるい・冷える・肩がこるなど、いわゆる未病(みびょう)という状態から、急性の腰痛や生活習慣病などの慢性疾患、神経難病まで、幅広く治療しているからです。よって、患者さんのさまざまな状態に対する鍼灸適否の鑑別後、どこにどんな刺激をどのくらい行うかが重要になります。本学では、少人数制で1年次からの積み上げ実習(基礎→応用→臨床)を経て、4年次の附属鍼灸治療所実習で総仕上げをします。また、インターンシップ実習で学外の協力施設での研修、1年次から夏・春休みを利用した鍼灸治療所研修などを通じて実践的な鍼灸の技術を身につけていきます。

  • Point3

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    鍼灸プラスαの資格・学びで将来をぐっと引き寄せる

    患者さんの力になってあげたい、アスリートをサポートしたい、そんな想いから、どのようなはり師・きゅう師、スポーツトレーナーを目指すかの方向性を1年目の学びで決めていきます。そして主に2年次よりそれに合わせた履修モデルに沿って科目を選択します。将来なりたい自分の夢をかなえるためにプラスαの資格取得で専門の学びを深めることができます。

鍼灸治療とは

  • 鍼灸学の理論体系は「気の思想」がよりどころとなっています

    はじめて「気の思想」が日本に導入されたのは、中国から漢字が伝わった時代と同時期と考えられています。今では「気」に関係する言葉は日常的に使われています。元気、天気、電気、勇気、正気、雰囲気、気力、気象、気分、気をもむ、気がつくなどきりがありません。「気の思想」では、宇宙の生成から生命現象に至るまで、すべて「気」を根底において理解します。鍼灸学の理論体系の多くが、この「気の思想」がよりどころになっています。体内の陰陽の「気」が調和しているのが健康で、調和が乱れると病気になると考えられています。

  • 生体全体をみながら、「経穴(ツボ)」を通して診断し、オーダーメイド治療をおこないます

    「経絡」は気血の運行する通路であり、気血の過不足や邪気(じゃき)の侵入などによって、病気になります。そこで、局所の病変に対応するのみではなく、生体全体をみて、どの「経絡」の異常によるのかを経絡上にある「ツボ」を通して診断します。また、患者さん一人一人の症状に合った「ツボ」に鍼(はり)・灸(きゅう)などで刺激をする、いわゆるオーダーメイド治療を行います。一本の鍼(はり)と一握りのモグサ(灸)が「気」の流れを調整し、自然治癒力を引き出して健康を取り戻すことに寄与します。

  • 「鍼(はり)・灸(きゅう)治療」は身体(からだ)に優しい安全な医療です

    鍼は痛い灸は熱いと言うイメージがありますが、決してそうではありません。鍼は滅菌された単回使用もので髪の毛より少し太い位のごく細く、鍼管と呼ばれる管を使って刺入するのでほとんど痛みを感じません。また、灸も米粒またはそれ以下の大きさのモグサを使用して、途中で消す方法を使えばやわらかい温かさを感じます。「鍼・灸治療」は副作用が少なく、身体(からだ)に優しい安全な医療です。

学びのステップと履修モデル

4年間で一般教養から現代医学、鍼灸医学をバランスよく学び、
卒業時にはり師・きゅう師の国家試験を受験します。

主に2年次からは、将来の目指す進路に合わせた科目履修制を導入しています。以下にその履修モデルを示します。
「鍼灸の資格を活かすスポーツトレーナー」を目指すコースでは、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー科目履修と学内外での現場実習を段階的に修了することができます。
「専門性を有する鍼灸師」を目指すコースでは、健康・美容・スポーツ・古典鍼灸など、多彩な科目を履修し、‘なりたい鍼灸師像'に近づくことができます。付帯資格として健康・体力づくり事業財団の健康運動実践指導者の受験をめざすことが可能です。

鍼灸の資格を活かすスポーツトレーナー

アスレティックトレーナー(JSPO-AT)

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー科目を履修し、現場実習を経て受験資格を取得

トレーニング指導者(JATI)

日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者の科目を履修し、受験資格を取得(3年次)

専門性を有する鍼灸師

スポーツ鍼灸

日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者の科目を履修し、受験資格を取得(3年次)。関西運動器障害研究会のプログラムを履修し、スポーツ鍼灸を習得。専門家を招聘した特別講義などを通じて、最新のスポーツ鍼灸のエビデンスを学修。

レディース鍼灸

アロマセラピー、鍼灸美容の科目を履修し、リラクゼーションからアンチエイジングまでを習得。婦人科鍼灸の専門家を招聘した特別講義などを受講し、婦人科疾患全般を網羅的に学修。

ヘルスケア鍼灸

健康運動実践指導者の科目を履修し、受験資格を取得(3年次)。多様な鍼灸治療法の中から、経絡治療、トリガーポイント鍼療法などを選択履修し、臨床経験豊富な教員の指導のもと技術を習得し、未病に対応。

専門性を有する鍼灸師について

専門性を有する鍼灸師とは、はり師・きゅう師国家資格取得後の就職、開業を見据えた将来像を示しています。4年間の東西両医学の学びを通じ、現代医学の知識は鍼灸治療の適否の鑑別に、東洋医学の知識と技術は未病から難病まで幅広い疾患・症状に対し患者さん基点の治療ができるようその基礎をしっかりと築きます。その上で、プラスαとして、'スポーツ'、'レディース'、'ヘルスケア'をキーワードに、認定資格の取得を目指したり、外部講師による各分野の最新情報を学んだりすることができます。治療法についても基本技術を習得した上で、日本で行われている鍼灸治療から、経絡治療、中医鍼灸、臓腑経脈治療、トリガーポイント鍼治療などを選択的に学ぶことで、将来、自分自身が行う治療法の本幹を見つけて欲しいと考えています。

教員メッセージ

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学科長 増田 研一 教授

入学時の夢を未来へつなげる鍼灸師の可能性に対応します

本学科では、国家資格であるはり師・きゅう師をベースとして、様々な知識や技術を発揮してスポーツ現場でトレーナーとして活動する、独立開業をめざす、さらには勉学や研究を継続して教員や研究者をめざすなど、入学時に感じている希望や価値観、そして責任感を維持しつつ未来へ向かう幅広い進路に対応できるようにしています。本学科の学びの特徴でもある東西両医学の修得を通じ、多彩な疾病や傷害、コンディションなどに対処可能な人材を育成します。