2025年12月18日
大学院
研究交流会を開催しました
2025年12月11日(木)、他機関との研究交流会として臨床鍼灸学グループ主催の講演会を開催いたしました。講師として、明治国際医療大学客員教授、順天堂大学協力研究員で日本東洋医学サミット会議(JLOM)事務総長・顧問を務められている東郷俊宏先生をお迎えし、「国際標準化が映し出す東洋医学の現在と未来」と題した講演を行っていただきました。
講演では、WHOやISOといった国際機関における伝統医学の国際標準化の流れについて、1980年代からの経緯を踏まえながら、現在に至るまでの動向を分かりやすく解説していただきました。特に2003年から始まった第3期の取り組みや、ISOにおける中国伝統医学(TCM)の国際標準規格(ISO/TC249)、さらに鍼灸用語に関する国際規格の成立過程やその内容について、具体的な事例を交えて詳しく紹介されました。
また、日本が東洋医学・鍼灸の国際標準化において果たしてきた役割や、国際的な議論の中で求められている視点についても言及され、参加者にとって大変示唆に富む内容となりました。
講演の最後には、「歴史の文脈における鍼灸」「世界の伝統医学の中に位置づけられる鍼灸」「ケアの文脈における鍼灸」という三つの視点を俯瞰的に捉えることの重要性が強調されました。そして、それらは単なる理論ではなく、患者一人ひとりの身体の声を丁寧に受け取り、それを言語化する営みであると述べられ、講演は力強いメッセージとともに締めくくられました。
国際的な視野から鍼灸の現在と未来を考える貴重な機会となり、参加者に深い学びと刺激を与えるものとなりました。

全体像

質疑応答の場面