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 運動と感情は切っても切り離せない関係にあります。一般的にネガティブな感情はパフォーマンスを低下させ、ポジティブな感情はパフォーマンスを向上させることが経験的に知られています。
 例えば、我々は恐怖を感じると身体がこわばったりすることがありますが、このような現象を神経生理学的に検証してみたところ、不快な感情は運動を司る脊髄運動神経の興奮性を増加させることが分かり、感情は運動神経や筋の状態を変化させる可能性が示されました。
 そこで、先行研究の知見をより理学療法に応用できないかということで、理学療法学科 文野講師と鬼形助教は、快感情が手指の巧緻性に与える影響をテーマに検討を行いました。結果、快感情は、何も感情を誘発させないニュートラル条件と比較して、母指と示指によるつまみ動作の力量調節能力を向上させることが明らかとなりました。
 したがって、理学療法を効率的に行うためには、身体のみならず、対象者の感情状態にも気を配ることが重要であることが示唆されました。

本研究成果は、下記情報よりご覧いただけます。是非、ご一読下さい!

論文情報:Yoshibumi Bunno, Chieko Onigata (2022). Influence of emotion on precision grip force control: A comparison of pleasant and neutral emotion. Front Psychol 13: 1038552.
DOI: 10.3389/fpsyg.2022.1038522