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 脳卒中を患うと無意識に筋肉の緊張が高くなる症状があります。この症状を「痙縮」といいます。この痙縮によって内反尖足という特徴的な足の形を呈し、歩行動作に大きな影響を与える場合があります。

 この痙縮筋の評価方法には、誘発筋電図という機械を用いて筋肉に収縮の指令を伝えるための最終経路であるα運動ニューロンの起始部となる脊髄前角細胞を評価することが重要と言われています。しかし、この脊髄前角細胞の興奮性によって得られるF波という電位は様々な形で出現する(多様性)ことが正常と言われますが、痙縮を有すると同一波形が現れます。つまり、このF波の波形の多様性を客観的数字で評価することができれば、痙縮の評価に加えて運動の随意性や運動単位の動員など幅広い評価に活用することができるという想いから本研究に至りました。

 本研究では、共著者として信州大学 花岡正明特任教授、金沢大学 淺井仁教授、そして、本学大学院研究科長 鈴木俊明教授と共に足の筋から記録したF波に対して加算平均処理とヒストグラムという処理方法を用いて、F波の多様性を可視化することを試みました。その結果、足から記録したF波の多様性には4つのタイプが存在していることが分かりました。

 これらの研究成果は、Heliyon誌に掲載されました。ご興味のある方は是非ご一読ください。

論文掲載:Marina Todo, Toshiaki Suzuki, Masaaki Hanaoka, Hitoshi Asai : Application of New Waveform Analysis Methods Reflecting F-Wave Diversity-Classification of F-wave diversity according to differences in the derived muscles -. Heliyon, 2023.