教員ブログ保健看護学部 保健看護学科

実習で心に残っていること

2017年09月15日


保健看護学部  桝田 聖子

 皆さん、こんにちは。在宅看護を担当している桝田です。
 私が学生の頃は、「在宅看護論」という科目はなく、今ほど、在宅医療が推進されていなかった時代で、退院される方のお宅を病棟看護師が訪問することは少なかったと思います。しかし、私は運よく、実習の中で退院される方のお宅を訪問させていただいたことがありました。それは、基礎看護学実習Ⅱで受け持ったAさんの退院支援に関わらせていただいた時のことです。その方は、心不全で酸素療法をされたまま、退院されることになりました。担当学生として、在宅酸素療法をされるAさんの自宅生活の留意事項などを書いたリーフレットを作成することになりました。次の日、朝のカンファレンスで看護師長さんが私に、「Aさんが退院後、酸素ボンベをどこに置いてもらったらよいか、自宅を訪問して一緒に考えましょう」と声をかけて下さり、一緒にAさんの自宅へ連れて行って下さいました。Aさんの自宅では、奥様が待っておられ、Aさんの退院後、自宅で酸素ボンベを置く場所を相談しました。その後、奥様から、「どんな食事を作ればよいですか」、「酸素ボンベのトラブル時どうしたらよいですか」など、不安に思っていることを看護師長さんに納得がいくまで確認しておられました。最初こわばっていた奥様の顔がしだいに笑顔になっていきました。その時、実際に生活されている場に伺うことは、家の様子がわかることはもちろん、ご本人やご家族の本音が聴けることを学びました。今思うと、看護師長さんは、Aさんの退院について、奥様が不安に思っておられることをわかっておられたのだと思います。 
 私は、看護職を目指す学生さんには、どこで看護実践をすることになっても、対象者の生活を大切にする視点を持ち続けてもらえるよう、接しています。人の生活を理解することは、自分自身の成長にもつながります。看護職は、自身の生活経験を実践に活かすことのできるすばらしい仕事だと思います。
 皆さんも一緒に本学で学んでみませんか?お待ちしています。


 


継承していく為に大切なこと

2017年08月04日


保健看護学部 川端 明雄

 皆さん、こんにちは。精神看護学を担当している川端です。
 今日は、本学がある泉州地方の文化を、私の担当している精神看護と交えながら紹介したいと思います。
 ご存知の方も多いと思いますが、大阪の南部に位置する泉州地方は、だんじり祭りが盛んで、熊取町で育った私も小さい頃からだんじりに携わりながら育ちました。だんじりの速度を落とさずに、方向転換させる「やりまわし」と、だんじりに施された非常に精緻な彫刻等を目当てに、祭り当日には毎年たくさんの人で賑います。
 だんじり祭りの起源は古く、約300年前から続く祭りです。諸説はありますが、当初は車輪をつけた台車に飾り物を載せて練り歩いていたそうです。現在の「やりまわし」をするようになったのは昭和に入ってからと言われています。
 つまり、江戸時代から現代に至るまで、祭りの形態や、だんじり自体の形態も時代と共に多くの変遷を経て、今に継承されているのです。
 それでは看護の変遷はどうでしょう。
 1860年頃、ナイチンゲールによって近代看護の歴史が始まったとされています。彼女は著書で「看護がなすべきこと、それは自然が患者に働きかけるのに最も良い状態に患者を置くことである」と看護の本質を表現しました。もちろん、この以前からも手当てをする看護師のような存在はあったようですが、ナイチンゲールによって看護は職業として世界的に確立され、今に至っています。
 その頃からも、そして現代においても看護の本質は普遍のものです。しかし、社会の違いや時代の医療に対する背景の変化に応じて看護の機能は拡大し、変化していくものであり、看護師は現代社会の特徴を踏まえた看護を、常に更新していく役割を担っています。
 私の担当する精神看護でも、この数十年でコンプライアンス(医療者側からの指示や治療を遵守させること)からシェアード・ディシジョン・メイキング (共に治療目標を考え、当事者が目標を決定すること)が重要視されるようになりました。
 しかし、この概要を知っただけで活用はできません。必要な技術を磨かなくてはなりませんし、何より既存の知識を最新の知識に更新する必要があるのです。

 看護学を後世に継承していくためにも、看護学の知識や技術、そして更新する方法を、本学で一緒に学びませんか?
 皆さんのご入学を、心からお待ちしています。



産婆(助産師)の神様

2017年06月30日


保健看護学科 生駒妙香

 日本で唯一の産婆(助産師)の神様を祀っている高忍日賣(たかおしひめ)神社が愛媛県にあります。神社内には「母子と助産師の碑」が建立され、毎年3月8日(サンバ)には、母子と助産師のためのイベントと祭事が行われています。また、この神社では<助産師守>のお守りを頂くことができます。私は、この<助産師守>を数年前に頂き、それ以降、お産に立ち会うときには、必ず身に付けるようにしています。助産師を守り、産婦さんと赤ちゃんが守られることを願ってのことです。0630.png
 私が初めてお産に立ち会ったのは、看護学生の母性看護学実習でした。かなり前のことになりますが、鮮明に思い出すことができます。その後、助産師学校に進学し助産師となってからは、多くのお産に関わらせて頂きました。お産の関わりで、いつも思うのは母子の安全です。産声を聞いたときの安堵感、そして産婦さんとご家族の笑顔は、その場に立ち会わせて頂いたことへの感謝の気持ちでいっぱいになります。
 現在は教員として、臨地実習で学生さんたちと一緒に、お産に立ち会う機会があります。学生さんたちは、緊張しながらも産婦さんに寄り添い、手を握ったり、汗を拭いたり、水分摂取をすすめたり、自分にできることを必死に考え関わります。その姿には感動を覚えます。無事に出産されたときには、涙する学生さんも少なくありません。そして、自分を生んでくれた両親への感謝、命の大切さを感じる場となっています。
 今年度からは助産師選択課程の科目や臨地実習が開始され、助産師の卵たちもお産の介助方法を学び、過密なスケジュールを仲間と共にがんばっています。
 現代、女性が出産する子どもの数は2人に満たない現状にあります。だからこそ、より無事に、産婆の神様に守られながら、お産に関わっていきたいと思っています。



『看護覚え書』から...まず出来ること

2017年05月26日


保健看護学科  阿部 香織

 皆さん、こんにちは。成人看護学急性期分野を担当している阿部香織です。
 初夏の風もさわやかな今日この頃、大学周辺の田んぼには、なみなみと水が張られ、いよいよ田植えの季節になりましたね。皆さん、元気に過ごされていますか。

 5月12日は、「クリミアの天使」といわれ、のちに近代看護学の普及に尽力したフローレンスナイチンゲールの誕生日でした。その日を「看護の日」と1990年から制定されています。看護の道を目指している学生の皆さんならご存知な方も多いはず。
 ナイチンゲールは、著書『看護覚え書』で、「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさを適切に保ち、食事を適切に選択し管理すること。こういったことのすべてを、患者の生命力の消耗を最小にするように整えることを意味すべきである」と述べています。この一節は、有名ですよね。
 ところで、看護師を目指す皆さんは、自分のために、食事を適切に選択し管理できていますか?1日3食しっかり食べていますか?実は、皆さんの年代では、朝食の欠食率が年々増加傾向にあるそうです。朝食を欠食する理由は、夜型の人が増え、朝起きても食欲がわかない、朝起きるのが遅く朝食を食べる時間がないという生活リズムの乱れからくるものや、女性ではダイエットのためといったものです。朝食には、①脳の働きが活発になり、集中力が高まる。②体温が上昇し、代謝が高まる。③太りにくいからだをつくる。④便秘解消。⑤疲労感を少なくするといった効果があります。健康的な生活を日々送るためにも、朝食を摂取するようにしたいものです。しかし、毎朝、バランスの整った食事を準備するのは難しいと思いますので、すぐに準備でき、食べられるようなもの(おにぎり、スープ、乳製品など)を用意しておくのはいかがでしょうか。朝食をしっかり摂って、これからの暑い季節を健康的に乗り切っていきましょう。
 私たちが健康であってこそ、ナイチンゲールのいう看護を実践することができるのです。



前前前世から・・・

2017年04月14日


保健看護学部保健看護学科 西井 崇之

 皆さん、こんにちは。公衆衛生看護領域を担当している西井崇之です。4月に入り、春風が心地いい季節となりました。新しい環境に身を置く方が増える時期ですが、新生活にはもう慣れましたでしょうか?

 教員ブログを書くにあたりこの1年間を振り返ってみると、タイトルにあるように去年の夏以降に大ヒットした「君の名は。」の主題歌であるRADWIMPS(ラッドウィンプス)の「前前前世 」が頭の中で流れました。サビ部分の「君の前前前世から僕は君を探しはじめたよ」というフレーズは、実は"保健師の仕事"を一言で表すことができます。このブログを見てくださっている高校生や在学生の皆さんの頭の中は、きっと今クエスチョンマークがたくさん浮かんでいると思うので、保健師の仕事と交えながら説明させていただきます。

 保健師の仕事の大きな目的は、ゆりかご(赤ちゃんが安全にお昼寝等をするための籐の籠等)から墓場までという言葉があるように、全ての年代の人々の健康と幸せを守り、育んでいくことです。その中でも、母子保健活動といって、乳幼児期などの子育て世代への支援がとても大切になってきます。

 母子保健活動の一つの事業に乳幼児健診というものがあります。乳幼児健診では、主にお母さん(お父さん等)とお子様に地域にある保健センター等に来てもらい、お子さんが健やかに成長しているか、あるいはお母さんに育児の悩みがないか等の仕事があります。

 前職場の先輩保健師から、「保健師の仕事を長くしていると親子3代、4代と関われる仕事なのよ。」という言葉を聴いたことがあります。乳幼児健診で1組の親子と関われる時間は10分前後のことが多いですが、"前前前世"や"後後後世"が見える保健師の仕事ってとっても素敵だと気づかされました。赤ちゃんやお母さんを通して見えるそれぞれの人生に携わることができる保健師という素晴らしい仕事を一緒に学びませんか?

 皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。



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