教員ブログ保健医療学部 臨床検査学科

「まずは目の前のことを片付けましょう」

2019年01月17日

大西基代

 私は、臨床検査学科の教員ですが、学生相談室の相談員でもあります。今回は、相談員の立場として、書かせていただきます。
 希望と不安を抱え、大学に入学してきます。将来を考え、色々と勉強しなくてはと気持ちがはやる学生もいます。学年が進行していくと、毎日の授業の復習だけで終わってしまい、なかなか幅を広げて勉強できないもどかしさで、前に進めなくなる学生もいます。大学を卒業するのだから、社会で即戦力となるように知識も技術も学んで身につけておきたい。入学時に思っていたことが全く行えていない自分に、歯がゆい気持ちになってしまうこともあります。
 このようなことに陥ってしまった学生には、私は、「まずは目の前にある問題を片付けましょう。」と伝えます。そして、「高い目標を持つことは自分を向上させ、行動にかりたてるモチベーションを保つためには必要なことです。でも、辛くなった時には、目の前の自分の身の丈にあったことをまず行いましょう。道は続いていきます。」と付け加えます。
 まもなく4年生は、壁を一つ一つ乗り越え、到達した扉を開け飛び立とうとしています。 これからの長い人生、苦慮することも多いと思いますが、行き詰まったら「まずは目の前にある問題を片付けましょう。そして、ここぞと思う時に力を発揮できるよう、心の体力を蓄えましょう。」という言葉を思い出してください。
 豊かな心を持って人生を歩み、社会に貢献してくれることを願っています。


シーズン到来!感染経路をシャットアウト!

2018年12月07日

臨床検査学科 大瀧博文

 師走に入り徐々に寒さが増し、受験を控えた方にとっては体調管理が気になる季節となりました。インフルエンザなどの風邪を引き起こすウイルスは、教科書的には「飛沫感染」により伝播するとされています。飛沫とは、咳やくしゃみに伴い排出される水分を含んだミストのようなものです。飛沫の飛距離は、約1 mとされています。感染者から排出された飛沫が他の人の気道に入り込み感染が伝播するという流れです。では、日常のシチュエーションとしてはどのようなケースが考えられるでしょうか?

良くないことですが、目の前で咳やくしゃみを受けてしまった場合、それを吸い込んで感染することは想像に難くありません。しかし、そのようなきっかけが無いにも関わらず、風邪を引くことをしばしば認めます。一体なぜでしょうか?実は、その原因は「手」と考えられています。例えば、風邪を引いている人が咳をして自分の手で飛沫を受け止め、その手で手すりやつり革、ドアノブをさわる場面があるとします。次に、風邪を引いていない人がその手すりなどを触り、何気なく鼻の近くに手を当てます。このような流れで、結果的に病原体が気道に入り込みます。皆さんは普段意識していないかもしれませんが、多くの人は癖で一日に何回も鼻や口の周りに手を触れています。とにかく、「手」による媒介は、風邪の流行において大きな役割を果たしています。これらのことから、風邪流行の防止策としては、「手洗い」と「感染者のマスク装着(飛沫の拡散防止)」が特に重要であると考えられています。

これからのシーズンを快適に過ごすために、日常で実施できる「感染対策」を是非実践してみてください!


「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

2018年10月19日

臨床検査学科 大島

い世代の方は、このタイトルの言葉を知らない、誰が言ったか名前を聞いてもわからない、という方が多いのではないかと思います。これは、大東亜戦争の時の連合艦隊司令長官だった山本五十六が言った言葉です。

 今回、何をテーマにブログを書こうかと考えた時に、始めに浮かんだのがこの言葉でした。私はこの言葉を解説できるほど、しっかりした教員ではないのですが、時々、自分自身に言い聞かせていることを書きます。

 私の解釈では、始めは「言って聞かせ」です。何事も始めるときは、なぜそれをする必要があるのかを、納得するまで説明することが必要だと思っています。次は「やってみせ」です。ここで注意していることは、何度もやってみせないことです。私のやり方が、100点とは限らないです。そのため、繰り返しやってみせることで、頭の中に完璧なイメージができてしまうと、自分で創意工夫するということができなくなるように思うからです。次は「させてみせ」です。人に教えるということは、これが重要だと思っています。やらせてみるときに、そんなことをしてはダメとつい言ってしまったり、できないことにイライラして、いつの間にか交代してやっていたり、してしまいがちです。教える側には、できるまで付き合うという忍耐力が必要です。「ほめてやらねば」で気を付けていることは、相手を観察するということです。ほめるといっても、どこが良かったのか、どこでつまずいたのかは、見てないとわからないです。実際にはうまくいってないのに、ほめちぎったところで、モチベーションが高まるとは思えません。何点か注意することも必要です。その場合、その注意点を改善すれば、次はどれくらい進歩するかということを、頭の中でイメージさせることが重要です。それができれば、もう一度チャレンジするという気になるはずです。

 普段から、私自身が注意していきたいと思います。

 写真は、お盆に登った北アルプスの爺ヶ岳辺りにいたライチョウです。ハイマツの中に子供が数匹いたので、見張っていたのだと思います。1019.jpg


認知症に対する臨床検査の専門家「認定認知症領域検査技師」について

2018年09月14日

楳田 高士

臨床検査技師は医療現場の幅広い職域で活躍し、超音波検査士・細胞検査士・認定血液検査技師・認定輸血検査技師・認定臨床微生物検査技師・遺伝子分析科学認定士など、数多くの専門性の高い認定資格が生まれていますが、今回、紹介するのは認知症の患者さんに対応する「認定認知症領域検査技師」についてです。

厚生労働省の発表によると日本は2025年には高齢者人口は3500万人に達し、試算によると約800万人の認知症患者、軽度認知症患者を含めると約1, 300万人( 国民の9人に1人) の認知症関連患者をかかえる認知症大国になると予想しています。

国は認知症を喫緊の課題として、新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)を策定して2025年に向かって様々な施策を行っているところですが、認知症の診断・治療に臨床検査技師が活躍する時が来たようです。

日本臨床衛生検査技師会(日臨技)は平成26年度に" 認定認知症領域検査技師制度" を創設しました。この創設目的は、「認知症の予防並びに認知症患者の治療の場において、病態を理解した臨床検査技師が対応することで、患者と家族の不安の軽減と正確な検査の実施が行えることから、臨床検査に関する専門性を生かして認知症の診断・治療を担当するチーム医療の一員として参加できる臨床検査技師を育成・確保することから」としています。

今後、認定認知症臨床検査技師の認知症疾患医療センターへの人員配置や各医療機関の認知症ケアサポートチームへの人員配置などが予想され、その動向が注目されています。

私は母が認知症(アルツハイマー型)の診断を受けてから、認知症に関心を持ち、臨床検査技師会の認知症対応力向上講習会(共催:日本認知症予防学会、後援:厚生労働省、日本病院会)を受講しましたが、診断を受けた神経心理学検査がよく理解でき、行動・言動にも冷静に対応できるようになりました。超高齢社会の今、認知症を知る・患者を理解することは医療の中で働く臨床検査技師にとって必須になってきていると考えます。

時代(時)の流れとともに臨床検査技師の業務も変化します。変化する時代に生きる諸君は、臨床検査技師の知識・技術を生かして様々な職域で、資格取得に挑戦してほしいと思います。


「管理」は重要です。

2018年07月27日

臨床検査学科 上田一仁

 まさに、この教員ブログを書いている日(平成30730日)に同年727日に公布され、121日から施行される、医療法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令(平成30年厚生労働省令第93号)の全貌が明らかとなりました。その中の「改正の趣旨」のひとつとして「病院、診療所又は助産所における検体検査の精度の確保に係る基準」が策定されました。具体的には「精度管理責任者の配置」、「標準作業書、作業日誌等の整備」と「内部精度管理の実施、外部精度管理調査の受検及び適切な研修の実施」などが盛り込まれています。ちょうど今年度の前期には臨床検査学科の2年生・3年生を対象に、「臨床検査の精度保証」の講義を担当させていただいていました。詳細は割愛させていただきますが、講義を終えて幾ばくかの時間が経った頃、学生さんから「先生!何で、精度管理が必要なん?」とのご質問を受けました。「そこか!」と感じながら、講義の方法に問題があったのか?と自己反省をした次第です。われわれ臨床検査技師は常に「迅速・正確」に検査結果を臨床側へ報告する義務を持っています。正しくは精度と真度を合わせた「精確度」の高い検査結果を迅速に報告しなければいけません。そのために「内部・外部精度管理」の実施は重要なツールの一つとなります。簡単な事例を提示して、学生さんに説明したところ「ふ~ん、そやな。」とご納得いただけた...はずです。今回の法改正を受け、これまで確実な「精度管理」を実施していなかった施設ではあたふたとされておられるかもしれません。分析装置や測定試薬の不具合、原因不明の偶発誤差や検査過誤の検出などに加えて検体採取から結果報告までを含む、適切な「臨床検査の精度保証」の確立は、「検査」を生業とするわれわれの責務です。少なくとも本学の卒業生は、胸を張って「精確度の高い検査結果」を臨床側へ報告できる、患者様第一義主義の自覚を持った臨床検査技師になっていただきたいと願います。そんな、知識と技術と人柄を持った、患者様に優しい臨床検査技師の形成に少しでも役に立てればと考えています。

 2018年夏。酷暑、猛暑、台風、地震、豪雨などの異常気象が地球の不具合を訴えているのかもしれません。「地球診療所」で行われる「検査」があるのなら、それが精確度の高いもので、可能ならば「発症予防」にもつながるものであればいいなと考えます。高学年の皆さんにとっては大事な夏休みとなります。体調「管理」・自己「管理」を徹底し有意義なお時間をお過ごし下さい。


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