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Blog 関西医療大学NOW!
臨床検査学科 大瀧博文

師走に入り徐々に寒さが増し、受験を控えた方にとっては体調管理が気になる季節となりました。インフルエンザなどの風邪を引き起こすウイルスは、教科書的には「飛沫感染」により伝播するとされています。飛沫とは、咳やくしゃみに伴い排出される水分を含んだミストのようなものです。飛沫の飛距離は、約1 mとされています。感染者から排出された飛沫が他の人の気道に入り込み感染が伝播するという流れです。では、日常のシチュエーションとしてはどのようなケースが考えられるでしょうか?

良くないことですが、目の前で咳やくしゃみを受けてしまった場合、それを吸い込んで感染することは想像に難くありません。しかし、そのようなきっかけが無いにも関わらず、風邪を引くことをしばしば認めます。一体なぜでしょうか?実は、その原因は「手」と考えられています。例えば、風邪を引いている人が咳をして自分の手で飛沫を受け止め、その手で手すりやつり革、ドアノブをさわる場面があるとします。次に、風邪を引いていない人がその手すりなどを触り、何気なく鼻の近くに手を当てます。このような流れで、結果的に病原体が気道に入り込みます。皆さんは普段意識していないかもしれませんが、多くの人は癖で一日に何回も鼻や口の周りに手を触れています。とにかく、「手」による媒介は、風邪の流行において大きな役割を果たしています。これらのことから、風邪流行の防止策としては、「手洗い」と「感染者のマスク装着(飛沫の拡散防止)」が特に重要であると考えられています。

これからのシーズンを快適に過ごすために、日常で実施できる「感染対策」を是非実践してみてください!