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Blog 関西医療大学NOW!
こんにちは。ヘルスプロモーション整復(HPS)学科の井口です。

秋は日本柔道整復接骨医学会学術大会が開催される季節です。今年も11月17日(土)~18日(日)の2日間、名古屋市で開催されました。

そこで、今回は今までに本学の学生が学会で発表した研究を、ほんの一部ですが紹介しようと思います。

私たちの研究チームでは、研究テーマの一つに「足関節捻挫について、その発生機序の解明から治療・予防プログラムの開発まで」を掲げ日々研究をしております。足関節捻挫はスポーツの中でも最も多いケガの一つなので、皆さんの中にも捻挫をしたことがある人は多いのではないでしょうか。そして、"捻挫ぐせ"という言葉が広く知られているくらい、足関節捻挫は繰り返し起こってしまいます。捻挫を繰り返すことで足首が不安定になり、それがまた捻挫を引き起こしてしまうという、負のスパイラルに陥ってしまいます。ですから、この不安定を無くすことが大切になります。

私たちの研究では片脚で立っているときに足裏の接地面が、どのくらい動いてバランスをとっているかを表す"足圧中心(COP)の移動距離"という指標を使って、不安定さを数値化しています。COPが小さいほど揺れが小さく、逆にCOPが大きいほど揺れが大きいということになります。このCOPを安定させるための要因の一つに足指力(足の握力)が関与すると考えられています。

そこで、片脚立ち中のバランス調整と足指力との関係性を調べてみました。すると、片脚立ちしにくい方の脚で立っているときには足指力を使ってバランスをとっていますが、反対側の片脚立ちしやすい方の脚で立っているときには足指力はあまり関与していないことが分かりました。次に、私たちが考えたオリジナルの方法で片脚立ちバランストレーニングを4週間行いました。すると、立にくい方の脚の足指力は強くなったのですが、立ちやすい方の脚の足指力は元々高く、トレーニング前後で変化はありませんでした。このように右と左とで結果が異なることを"左右差"といいます。このことから何が分かるかというと、同じトレーニングを行ったとしても右脚と左脚とではその効果が違うということが分かります。つまり、トレーニングの内容によっては"左右差"を考える必要があることが分かりました。また、片脚立ちバランス調整については、足関節周囲筋群の反射による調整機能が高くなったことが分かりました。

他にも沢山ありますが、このように学生たちと研究チームで一緒に行った研究が確実に形になっていっています。また、私たちはトレーニング介入を行うので、トレーニングを指導・管理したり、スケジュールを調整したりと大変なことも多いですが、学生たちはみんな頑張っています!!