関西医療大学

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教員ブログ

はり灸・スポーツトレーナー学科 北川洋志

本学科に入学した学生の多くは、付帯資格として日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの取得を目指しています。本学科ではその土台となるのが、人の体について学び、怪我や痛みの原因を探り、治療していくための医療資格として、はり師きゅう師の国家資格です。

みなさんは、はり灸と聞いてどのような治療をイメージするでしょうか?ツボを使った治療法や、全身に働きかける治療法などでしょうか?西洋(現代)医学とは異なった独特なイメージがもたれる“はり”や“灸を”用いた治療ですが、西洋(現代)医学的に説明できるように、これまでにたくさん研究がされてきています。

本大学でも行っている研究の1つに、はり治療によって実際に体の中で起こる変化を見るというものがあります。体内の様子は、エコー(超音波画像診断装置)という妊婦検診で赤ちゃんの様子をみるのにも使われている機械を用いることで体を傷つけずに観察することができます。この機械は人が聴くことのできない高い音(振動)を体に当て、跳ね返ってきた音を画面に映し出す仕組みで、音(振動)が伝わらずに跳ね返る筋肉を覆う膜(筋膜)や腱、骨など硬いものは白っぽく映ります。体に刺したはりも白っぽく映し出されます。エコーで体内の状態を見ながらはり治療を行うと、はりの動きに伴って筋肉を覆う膜(筋膜)がバラバラとほぐれていく様子を観察することができます(写真)。このエコー上で観察できる現象は、「体の硬くなったところにはり治療を行って筋肉がほぐれた」「体の動きが良くなった」「はり治療をして腰痛や肩こりが良くなった」などの効果を説明できるかもしれません。しかし画面上で観察されることと効果に関する知見はまだまだ発展途上で、白っぽく映し出される筋肉を覆う膜(筋膜)や腱などがもともと重なって見えていただけで効果とは関係ない現象かもしれません。
はり治療の見える化は始まったばかりで、はりを刺すことで筋肉がほぐれたり、痛みが取れたりすることとの関係性はまだまだわかっていません。大学で学ぶということは、今のところ正解だろうと言われている答え(仮説)を学んだ上で、本当に正解なのか、正解でないのなら何が正解なのかを探しだすことです。まだまだ解明されていないことの多い「はり灸」という分野だからこそ大学で学ぶ価値があると考えます。