関西医療大学

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教員ブログ

皆さん、こんにちは。関西医療大学ヘルスプロモーション整復(HPS)学科の井口です。
今回のテーマは『柔道整復師はどんなことを研究しているの?』ですので、柔道整復師の研究対象を書かせて頂こうと思います。

突然ですが、皆さんがクラブ活動中や遊んでいるときなどに捻ったり、肉離れしたり、ボールが強く当たって打撲したりしたときや、友達がそのようになったときにできる手当として先ず何をしますか?恐らく、「先ずはアイシングする!!」と考えることでしょう。正解です。何故なら急性期の処置はRICE処置(R:rest 安静、I:icing アイシング、C:compression 圧迫、E:elevation 挙上)を行うのが原則なので、このようなケガをしたときにアイシングをするのが一般的です。逆にしない人の方が少ないと思います。では、「なぜアイシングをするのでしょうか?」と聞かれたら皆さんならどう答えますか?困ってしまいますよね?いろいろと考えた挙げ句に「皆がやっているからアイシングする」、「そんなの当たり前じゃないか」など、上手く説明ができないのではないでしょうか。実は、私も困ってしまいます。というのも、練習前や練習後にまで行うようになったアイシングが、本当に身体にとって良いのか悪いのか、ハッキリと分かっていないからなのです。アイシングの効果については、アイシングをした場所の血流量を減少させる、損傷した筋肉の代謝を低下させる、腫れを抑える、痛みを軽減させる、などの効果があるといわれています。痛みを和らげる効果は経験上あると思います。しかし、損傷した組織を修復させるためには血液が必要なのですが、アイシングによって局所の血流を減少させてしまうと治りが遅くなる可能性が考えられます。それは身体にとってはよくない効果になります。また、足関節捻挫の研究で、アイシングは足関節機能の改善や再発防止には効果が無い(Doherty,et.al,2017)という報告もあります。考えれば考えるほど分からなくなってしまいますね。
私たち柔道整復師はケガを処置するスペシャリストです。また、トレーニングによるケガの予防やリハビリテーション、パフォーマンス向上も私たちの仕事と密接に関係します。しかし、私たちが日常行っていることについて、常識であると考えていることが実はよく分かっていないということが他にも沢山あります。そういう当たり前といわれていることに対して、「本当なのかな?」「何が正しいのだろう?」「正しいとしたらどういうメカニズムが働いてそうなるのだろうか?」「こういう場合はそれが正しいのだろうか?」など、という疑問が沸いてきます。その疑問を解決していくことが研究であり、柔道整復師の研究対象は多岐にわたります。
研究をする上で、大学の良いところは、設備が整っているのでそれらの疑問を学生さんと一緒に探求することができるという所にあります。一緒に疑問点を考えて、その疑問点を解決するための実験を行い、得られた実験結果を基に頭を捻って結論を出して解決していきます。そして一生懸命に導いた一連の研究内容を学会で発表します。発表する学会は、主に「日本柔道整復接骨医学会」でされています。柔道整復術の科学的検証と学の構築を目的に創設された学会です。毎年11月ごろに開催されます。

ちなみに、来年の研究テーマは「アイシングが身体に及ぼす影響」です。実は先日行われたオープンキャンパスでアイシングのことをお話しさせてもらったのですが、そのときにお手伝いをしてくれた学生さんが「アイシングの研究やりたい!!」と言ってくれたので決まりました。来年の学会発表が楽しみです。もしよろしければ、皆さんも一緒に研究してみませんか?(本学の研究は自主参加で強制ではありません)
最後まで読んで頂きまして、有り難うございます。皆さんにとって良い進路が選択できることを願っています。