FACULTY
/GRADUATE SCHOOL
Blog 関西医療大学NOW!

 春近し...私の住んでいる京都の道筋は、‘京町屋’という大きくはないけれど、きりっとした家並みが続いています。各家々の軒下には、椿や梅の鉢植えが並べられ、しだれ梅や紅椿の開花が寒さの中にも春の訪れを実感させてくれます.
 2回目の緊急事態宣言の成果かどうか、全国的に感染者の減少が見られるようにはなりましたが、未だ、出口の見えないコロナ禍にあって、感染対策に最も有効であるとして「人との接触を減らす」という、暮らしぶりが推奨されています。しかし、このことは、元来、自発的に社会とのつながり持ちにくい人たち、社会的弱者や単身生活者の孤立を深めることが危惧されます。高齢者における「孤食:一人食事」は、野菜や果物の摂取度の低下や欠食を増加させ、結果として、3年後のうつ発症リスクが男性で2.7倍、女性で1.4倍高まるとの報告があります(Age Aging 2015)。
 多種多様な他者との交流が、人の“幸福度”を上げるという研究結果(太田ら;日福大報道発表資料2020)もあり、コロナ禍で分断されたつながりをどのように修復していくか、コロナ終結後の社会の有り様にも心を向けたいと、春を感じつつ思うこの頃です。

(保健医療学部 作業療法学科 岩井和子)