関西医療大学

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鍼灸学ユニットの木村です。
最近、行なった高血圧症患者に対する鍼治療の研究を紹介します(J Altern Complement Med. 2021)。高血圧症は生活習慣病の一つであり、日本では約4000万人の患者がいます。血圧が高いと血管がダメージを受けて脳梗塞や心筋梗塞が起こりやすくなります。高血圧症の治療では降圧薬(血圧を下げる薬)による薬物療法が行われますが、副作用や合併症などの点で適応に問題のある患者さんもいます。そういった患者さんに対して鍼治療は副作用も少なく、安全であるという点で近年、関心が持たれています。私は軽度の高血圧症患者に対して手足や頭のいくつかの経穴(ツボ)に鍼治療を行い、血圧や心拍数、心拍変動解析(自律神経機能の評価法)などを測定して正常血圧者と比較しました。その結果、高血圧症患者では鍼治療によって血圧や心拍数が低下したのに対し、正常血圧者では血圧や心拍数は変化しませんでした。つまり、鍼治療は高血圧症患者さんに対しては血圧を下げる方向に作用しますが、正常な血圧の人にはあまり影響しないことが分かりました。また、高血圧症患者では交感神経活動が亢進しており、鍼治療によって交感神経活動が低下し、下の図で示すような副交感神経活動(下図の高周波成分:HF)の増加がみられました。これは鍼治療によって副交感神経活動が増加し、心拍数が低下(R-R間隔の延長)したことを示しています。今後は耳鍼が血圧や心拍数に及ぼす影響について大学院生と研究を進めていく予定です。