関西医療大学

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作業療法ユニットの木村です。
我々研究チームは,認知症高齢者の精神・行動障害(BPSD)の改善に取り組んでいます.国外のBPSD対応で一般的になっている応用行動分析では,今起こっている認知症高齢者の行動を直接観察し,分析する必要があります.我々チームは,認知症高齢者に腕時計型のウェアラブル型センシングバンドを装着し,行動をリアルタイムで収集することで,今起こっている認知症高齢者の行動を直接観察し,分析する取り組みを行っています.センサーは,3秒毎に算出される位置情報,60秒毎に出力される活動量(EX),運動強度(METs),歩数などが収集され,そのデータをグラフ理論を用いたネットワーク解析という新しい手法で分析しています.結果の一部を紹介すると,ある施設を利用している認知症高齢者の行動パターンを分析したところ行動は3つに分類され,第一グループは同じ場所を何度も往来する徘徊様の行動パターンが見つかり,第二グループは同じ場所に留まる無為に近い行動パターン,第三グループは健常高齢者に近い行動パターンと解釈されました.一方で,注目すべきデータは,どのグループもEX,METs,歩数が健常者に比べ非常に少なく,座位程度の運動強度しかないことがわかりました.BPSDは介護者が在宅での介護をあきらめる最大の課題です.行動分析から問題解決を導くこともリハビリテーションでは重要な視点になると考えられます.