2022年05月06日
作業療法学科のOSCE(作業療法/藤井)
こんにちは.関西医療大学保健医療学部作業療法学科の藤井啓介(ふじい けいすけ)です.今回は,本学科で実施しているOSCEについてお話をします.OSCEとはObjective Structured Clinical Examinationの略であり,日本語で客観的臨床能力試験といいます.OSCEの実施方法は養成校において様々であります.
本学科でのOSCEは臨床実習前と臨床実習後に実施する計画です(コロナ禍で変則的ではありますが・・).その中で評価する項目としては,態度・コミュニケーション技能・技術・知識の4点です.3年生の評価実習前におこなうOSCEを例に取ると,教員が演じる模擬患者を対象に,「学生自身が,きちんとした身なり,態度,言葉遣いができるか,適切な方法で評価・検査・測定をおこなうことができるか,その評価結果と本人の生活障害(日常生活で困っていること)の関連性を説明できるか」を教員が採点します.どの部分も学生は苦慮しますが,最も難しい点は評価結果と本人の生活障害(日常生活で困っていること)の関連性を説明する点です.評価結果から考えられる一般的な障害像を説明できればよいのではなく,OSCEの中で模擬患者との面接で得られた生活障害について実施した評価結果を解釈し関連付けて説明することが必要となります.つまり,一般的なテストのように暗記などで対処できる課題ではなく,非常に緊張感のある場において思考を整理およびアウトプットする能力が問われます.臨床実習の場では常に指導いただく先生とのコミュニケーションの連続となり,思考を整理・アウトプットするOSCEは必要不可欠なものです.
OSCEに向けて学生みんなで一丸となって,約1ヶ月間練習に取り組みます.その過程でも学生の成長がみられます.そして,そのままの勢いで臨床実習に参加することでさらに学生は成長します.今後も少しでも臨床実習に近い緊張感のある環境を作り出し,学生が成長できる場を提供できるように努めていきたいと思います.