関西医療大学

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 ヘルスプロモーション・整復学ユニットの髙岸です。私が大学院の博士課程でまとめた研究を紹介します。
 圧受容器反射とは簡単にいえば、血圧をできる限り一定に保つように調節するしくみです。つまり、血圧が急に上昇すると交感神経活動の低下と副交感神経活動の亢進、そして心拍数の低下と血管抵抗の低下により血圧を元の値に下げ、逆に血圧が急に低下すると交感神経活動の亢進と副交感神経活動の低下、そして心拍数の増加と血管抵抗の増加により血圧を元の値に上げるしくみです。この反応に中枢として延髄弧束核(NTS)が重要な役割を果たしています。
先行研究において、ヒト本態性高血圧のモデルである高血圧自然発症ラットのNTSでインターロイキン6(IL-6)遺伝子が異常発現しており、それが高血圧発症の一因となっている可能性が報告されていることから、NTS内IL-6が動脈圧受容器反射に及ぼす影響について調べました。方法は麻酔下のラットを用い、大腿静脈に挿入したカニューレから昇圧物質(フェニレフリン)を急速に静注し、動脈圧受容器反射を惹起させ、IL-6片側微量注入前後の反射感度を求めることにより、IL-6の圧受容器反射に及ぼす影響を検討しました。
その結果、IL-6の片側微量注入はフェニレフリン静注時の昇圧性徐脈反応を抑制し、動脈圧受容器反射感度が有意に抑制されました。このようにNTS内IL-6には急性の循環調節作用があることが示唆されました(Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2010 Jan;298(1):R183-90.)。
今後、NTS内IL-6の動脈圧受容器反射抑制作用のより詳細な機序やその生理学的意義、特に高血圧発症との関連についてさらに検討していく必要がありますが、高血圧の発症予防などに貢献していきたいと考えています。