FACULTY
/GRADUATE SCHOOL
Blog 関西医療大学NOW!

 4年生はいま就職活動をしています。求人票や施設のホームページの求人情報をチェックし、希望するところに履歴書を送り、筆記試験や面接などの就職試験を受けます。医療業界は(検査技師業界は?)一般にいわれるよりも就職活動の時期が遅く長く、春から冬にかけて活動します。国家試験(2月)後に求人があることもあります。また毎年必ず求人が出るわけではないのです。

 私が短大を卒業した頃はバブル崩壊後の就職氷河期で、検査技師求人も氷河期でした。学校に求人は来ず、病院に電話でたずねても今年は求人がありません、といわれました。卒業までに就職進学先が決まった人はクラスの半数以下でした(*1)。私は就職浪人となり、下宿先を引き渡して実家に帰りました。実家に帰ってもやることがありません。ハローワークに通って求人を探すくらいです。でも検査技師の求人はありません。親からは「資格あるからって、臨床検査技師の仕事せんでもええやん、別の仕事探せば」「永久就職先探すか(*2)」と言われました。しかし私は高校生のとき、進学先を決める時点で臨床検査技師になると決心したのです。別の仕事に就くことは納得いきません。医師の資格持つ人が医師以外の仕事に就くか?と心の中で言い返して、アルバイトを探しました。

 公文の先生アシスタントのアルバイトをしながら検査技師の仕事を探しました。新聞折り込みの地元新聞の記事で細胞検査士養成講座があることを知り、受講しました。講座同期には、一般企業に就職し事務をしている人(のちに検査技師で就職)や病院臨時雇用の人(のちに別施設へ就職)、大阪府職員の最終面接で会った人(彼女は合格)らがいました。初回の講座で自己紹介があり、「就職できず就職浪人しています」と自己紹介したら、病理学教室の教授がちょうど人を探していたと声をかけてくれて、なんとか病理検査技師の仕事にありつけました。すぐに動けるのが私だけだったのです。その後病理学教室で5年働き、別施設から声がかかり検査センターで正職員になることができました。

 よく就職は縁だといわれます。いまの学生さんにはありがたいことに求人があります。それは卒業生の頑張りのたまものでもあります。学生の皆さんにはいいご縁があるよう、また長く勤められるよう祈っています。

*1 卒業時の名簿によると、進学(大学編入)4/37、就職12/37、未定21/37でした。
*2 かつて結婚して専業主婦になることを永久就職といった。