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Blog 関西医療大学NOW!

 人文・自然科学ユニットの王です。私たちは東洋医学の〝ハリ〟の効果と“肌を美しくする”“肌のもつ美しさ”の関係について研究を進めています。最近、注目すべきテーマが美容界で発表されました。それは「美容は幸福度に貢献できるのか」という研究です。「美」の捉え方も、いまと昔では大違い、その背景には経済、社会環境が潜んでいるようです。
 柔軟な肌の潤いと関係する天然保湿成分が肌の角質層にあるフィラグリンという蛋白質と強く関係しています。これがみずみずしい若い肌を作っていることが美容研究で分かってきました。
 そこで東洋医学の〝ハリ〟による美容効果はどうでしょうか?
 肌のもつ弾力性や、肌から蒸発する水分の量が〝ハリ〟でどれだけ変化し、それとフィブリン蛋白との関係について考えてみました。そのため肌の粘弾性、皮膚水分蒸散量、皮膚表面温度の変化を定量化できる装置を海外より取りよせ、肌のもつ若返りの機能を科学的に検証し「美」による〝幸福度の高さ〟を研究中です。また、刺す〝ハリ〟と刺さない〝ハリ〟の美容にもたらす効果も調査しています。
 〝ハリ〟は、お肌の張りだけではなく、自律神経を介して心理的なストレスが皮膚表面に現れてくるので、肌は第2の脳とも言われています。私たちの伝統医療文化に育まれた東洋医学のもつ〝美〟の智慧で、肌から導き出された皮膚表面の小宇宙に科学的な視野からのアプローチを始め、〝ハリ〟と〝お灸〟のもつエネルギーへの挑戦を、私たちと踏み込んでみませんか!